bizSPA!

飛行機に乗れない…「マイル上級会員」から陥落する29歳会社員の嘆き

コラム

Go To トラベルも申請できる雰囲気ではなかった

上司と部下

 それでもコロナ禍では旅行そのものを諦めていたそうですが、昨年秋にGo To トラベルで各地へ行楽に出かける人は増えていた時期は旅行を申請しようとしたそう。ですが、すでに申請を出していた同僚に対し、上司が「アイツは今がどんな状況かわかっているのか」と言っていたのを聞き、断念せざるを得なかったと振り返ります。

「しかも、その上司は私がよく地方や海外に行っていたのを知っていて、『わかっていると思うが……』とクギを刺されてしまったのです。そもそも上級会員は搭乗マイルと別にボーナスマイルも加算されるため、マイルが貯まりやすいんです。

 けど、一般会員に戻ればその特典も当然なくなります。今の状況だとコロナが沈静化するどころか定期的に感染爆発を繰り返すのが当たり前になっているし、会社の県外移動禁止のルールがいつ解除されるかはわかりません。以前よりは多少緩和されてきたのですが、コロナ前のように毎月のように飛行機に乗って遠出することはもう無理かもしれませんね

今の趣味を続けるのは困難。すでに諦めている

 今年いっぱいで上級会員の資格を失うのは確実。中村さん自身、それを機にこの趣味をやめるつもりでいるようです。

「どのみち結婚すれば、こんなお金のかかることを続けられると思っていなかったので、最初から独身時代限定の趣味だと割り切っていたのも事実です。ただ、今は付き合っている女性もいませんし、本音を言えばこんな形でやめたくなかったんですけどね。転職して県外移動の制限のない会社に勤めるって選択肢もありますが、今の会社は給料もそれなりにいいんです。さすがに趣味のために収入を減らしてまで仕事を変えることはできませんから

 同じようにコロナ禍で旅行などの行楽を我慢している人はきっと多いはず。1日も早く収束して、以前のように楽しく旅行できるように戻ってほしいものです。

<TEXT/トシタカマサ イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

-[若者の「趣味で痛い目に遭った話」体験談]-

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

12

おすすめ記事