“独自コロナ政策”で注目の福岡市長に直撃「なぜ日本は変化に対応できないのか」
日本が変わる時には天災が起きている
――書籍では「コロナ禍は日本が変化し、飛躍する大きなチャンス」と訴えています。なぜ今がチャンスなのでしょうか?
高島:間違いなく、今がチャンスだと思っています。歴史的に見て、日本が変わる時には必ずと言っていいほど天災が起きています。歴史の教科書に書かれているのは「幕府が倒れた」「政権が変わった」という政治的な出来事が中心ですが、実はちらっとだけ触れられている大地震、噴火、疫病、飢饉などと年表を重ねてみると、よく分かります。
天災が起きて人々が苦しみ、政情不安になった後に新たな指導者が現れているケースが多いのです。「戦乱の世に英雄は現れる」とよく言いますが、日本はそうならないと変わらない国なんです。しかし、それは裏返すと、国民が苦難を体験すれば、「変わらなければいけない」という共通の意識になるということでもあります。
海外との比較ができることも大きい
高島:特にコロナ禍は世界的な危機なので、海外との比較ができることも大きいです。海外のワクチン接種では、研修を受けた一般人がボランティアでワクチンを打っている国もあります。でも、なぜか日本は歯科医師であっても条件付きでしか接種が認められていませんし、薬剤師に至ってはダメ(予診のサポートやワクチンの希釈・充填など、ど打ち手以外の業務のみ)。
だから、「なぜ他国はOKで、日本はダメなの?」「別にやってもいいよね?」「じゃあ、なんでこれまではダメだったの?」と次々に疑問が生じ、「やっぱり日本はおかしい」という国民の不安につながっているのだと思います。
危機に直面し、このままで良いのかという疑問を共有できている今こそが、日本が変わるチャンスであり、まさに変えるために行動すべきタイミングなんです。