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変質者や露出狂が出没も…28歳女性が住んだ「トラウマ部屋」の思い出

コラム

壁も薄いし、ゴキブリは大量

「全く期待してませんでしたが、結構アタリでした。アパートだけどレンガ作りで可愛いし、和室を洋室にリフォームしてるからクローゼットも大きくて、出窓もついて、開放感がありました」

 家賃は希望金額で収まり、部屋にも満足。その場で、このアパートに決めた井川さん。一見、何の問題もないように思えますが……。

「住んでみてすぐ感じたのは異様な壁の薄さ。隣の家のお姉さんが彼氏とイチャイチャしてるとすぐに聞こえてくるのがイヤでした……。あと、私の部屋の真下がゴミ置き場で、しょっちゅうゴキブリが出ました。バルサンを何回焚いても効果が薄く……冬場でも大きいのが出ましたからね(苦笑)」

 以前から虫が苦手だったため、ゴキブリが出現するたびに友人をわざわざ呼び出して退治してもらっていたそうです。そして、さらに苦痛だったのはこのアパートの立地でした。

変質者や露出狂に遭遇することも

酔っ払い

「袋小路にアパートの玄関があったんです。隠れやすい立地だったのか、変質者や露出狂に遭遇したことは数え切れないほど……。警察には10回以上通報しています」

 そのため、夜遅くなった時は安全を期してタクシーを使うことも多く「家賃が高くても駅から近いほうが良かった」と感じたんだとか。

「あの部屋には悪い思い出しかないです。私の親族は一人暮らしの経験者が極端に少なく、身近でリアルな話を聞けなかったのも良くなかったのかもしれません。それと、不動産屋の作戦なんでしょうけど、最初に“絶対住みたくない物件”を見せて、最後にまだマシな部屋を見せられたのも失敗した要因のひとつだったと思います。今だったら家賃3万でも住みませんね」

 この経験を活かし、以後の引っ越しではかなり気をつけて物件を選んでいるという井川さん。掘り出し物の物件を見つける目利きが働くようになったという点に関しては、最悪な部屋に住んだ経験も無駄ではなかったのかもしれません。

<TEXT/吉沢さりぃ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。近著に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)がある。『日刊SPA!』『BLOGOS』などで執筆。趣味は飲酒
Twitter:@sally_y0720

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