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夜職、正社員を経て、28歳女性が“慎重な起業”に挑む理由「気持ちがあれば体が動く」

ビジネス

 今の会社でどんな自己実現ができるのか分からない……。このままなんとなく働いていていいのか……。自分のやりたいことが見つけられないことに不安を感じている20代も多いのではないでしょうか。

木田奈苗さん

木田奈苗さん

 今回、話を聞いたのは、“慎重な起業”をきっかけに、ぼんやりとした人生から抜け出せたという、PRパーソンと企業のマッチングプラットフォーム運営をする株式会社PATHREE(パスリー)CEOを務める木田奈苗さん(@chan7_desuです。

大卒3年目でようやく社会人に

 学生時代にやりたいことが見つけられなかったとしても、そのまま就職する人も多いです。しかし、木田さんはそれができなかったそうです。

「大学を卒業するまでに進路が決まらなかったんです。とりあえず周りに合わせて髪の毛を真っ黒に染めてはみたけど、会社に入ることで何が実現できるのか全然ピンとこなくて

 目的が見つからないのに就活だけすることが自分には難しかった。だから就活もすぐやめてしまって、大学を卒業してからの数年間はバイトをしたり、夜職をやったりと転々としていました。夜職では若さもあって、その年齢の企業勤めでは考えられないような年収を稼ぐことができました。でも、先行は不透明だし、稼いでも自信はつけられなかったら、どんどんしんどくなっていったんです。

 そんな時、たまたま知り合いから、ベンチャー企業の広報をやってみないかと誘われたんです。信用している人が勧めてくれたこと、何より現状を変えるために新しい挑戦ができるならこのチャンスは逃したくないと思って、大学卒業から3年、25歳でようやく正社員として社会人デビューできました

働いて2年で起業したくなった

木田奈苗さん

撮影:澤山大輔

 他人と比べて遅めではありますが、なんとか社会人デビューを果たした木田さん。いざ働き始めてみると、水を得た魚のように「自分が興味を持てること」と「実現してみたいこと」を見つけていきます。

「広報という仕事に取り組んでみると、突き詰めがいがあるものでした。私の施策や切り口次第で、サービスやコンテンツが世の中に広がっていく。やりがいが感じられることでしたし、信用できるつながりの中で働けたことも大きかったのかなと思います。未経験だったこともあって、月収は夜職時代の数十分の1。新卒から働いている友人たちより少ないくらいでしたが、不思議と夜職時代より、生活の基盤が固まったような感覚がありました」

 そして、SNSを通じて広報に関する相談を企業の方から多くいただくようになり、1年後にはフリーランス広報として独立することに。でもいざやってみると、1人で携われる会社数に限界があることも感じたそうです

「世の中に知られないままなくなってしまうサービスも星の数ほどある。少しでも多くの会社に広報活動を通して素敵なサービスを広めてほしい……。だから、広報として働いて2年経ったタイミングで起業することを決意しました」

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