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柚子塩らーめん「AFURI」、赤字続きのコロナ下で見つけた脱出の糸口

ビジネス

阿夫利山の天然水を使っている理由

 AFURIの定番は「柚子塩らーめん」(1,080円)だ。鶏清湯(とりちんたん)ベースのスープは、鶏、魚介、香味野菜などの素材とともに、神奈川県厚木市にそびえる阿夫利山の天然水で仕込んでいる。さらに肉厚な特製の炙りチャーシューも添えられており、食べ応えのある一品だ。しかしなぜ、阿夫利山の天然水をスープに使っているのだろうか。

2001年にAFURIの前身となる『ZUND-BAR』を阿夫利山の麓にオープンしたのが、今でも阿夫利山の天然水を使用しているゆえんです。ZUND-BARはもともと中村栄利(AFURI代表の実弟)が立ち上げた『中村屋』の2号店として運営していましたが、後に当社代表が引き継ぎました。当時、オープン前から200人超の行列ができており、阿夫利山の天然水を使った美味しいらーめんを、都心の人にも味わってもらいたいとの想いから『AFURI』という屋号で恵比寿に出店をしました」

 また、阿夫利山の天然水は軟水であり、その利点を生かしたスープづくりをしているという。

「軟水の場合は不純物が少なく、食材の出汁(だし)の抽出率が高いため、食材に本来の旨味を引き出しやすい。AFURIの目指す淡麗でさっぱりとした味わいを出すうえでも、阿夫利山の天然水は欠かせません

インバウンド需要「ヴィーガンらーめん」

ラーメン

神奈川県阿夫利山の様子

 また、2013年頃から、中村氏は「日本のらーめんが海外に進出していくとき、多様性が必ず求められる」と考えていた。そんななか、浮かんだのが「ヴィーガンらーめん」のアイディアだ

「らーめんは、高カロリー、高脂質、高炭水化物の象徴的なイメージがあります。一方で海外ではヴィーガン食が一般的で、AFURIでも海外のお客様にも親しんでもらえるらーめんを提供できないかと挑戦しました」

 しかし、最初は「病院食や精進料理と言われるような、“我慢を必要とする”レベルの味でした(笑)」と語る。

「それがブラッシュアップを続けて、『本当に野菜だけしか使用しないでこの味が出せるのか』というレベルまで昇華できた。時を同じくしてインバウンド需要も伸びて、ヴィーガンらーめんが売り切れる店舗もありました。海外のお客様からも『ヴィーガンらーめんを食べるためにAFURIへ来た』と言ってくださる方もいて、今後のキラーメニューとして期待していたんです」

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