2~3年目は要注意。仕事に慣れてきたら「自分の失敗」を振り返ろう
しかし今は、若い頃よりは知見があるのと、このときの失敗から培った「仕組み力」で、“失敗確率”を下げることができるようになりました。
私が作った「失敗確率を下げる仕組み」は、次の3ステップです。
1)失敗した根本原因は何か? を洗い出して箇条書きでリストを作る
まず、失敗した根本原因を洗い出すには、1つ目のステップ「なぜそれを起こしてしまったのか?」という問いを自分にしてみましょう。
先ほどの私の例では、特約事項をしっかり説明しておらず、言った/言わないがトラブルの焦点になりました。
その場合、「特約事項を口頭で説明してしまった」などの自分の行動を具体的にリストにメモとして残します。
さらに、「説明すべき事項を完璧にインプットしていなかった」「契約フローを把握仕切れていなかった」の2点が洗い出され、合計3点がリストに追加されます。
2)自分なりに洗い出したリストを先輩や上司に見てもらう
次に2つ目のステップですが、客観的な意見をもらうことはとても重要です。
ちょっと恥ずかしいかもしれませんが、聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥、恥をかくなら一時の恥で終わらせてしまいましょう。
客観的な意見をもらうことは、自分のチェックが正常にちゃんとできているか、それとも甘いのか、という判断にもなります。
さらに、同じような失敗をしてきているはずの先輩から多面的な意見をもらうことはビジネス人生でとても大切な財産になりますよ。
3)失敗をするたびにリストを更新して、視点やチェック項目を増やす
そして3つ目のステップでは、失敗した案件ごとにタイトルを付け、洗い出した原因をその下に書きます。ちなみに私はこの時の失敗に「A社契約破棄事件」と名付けました。
そしてまた次に失敗したときには、またその案件にタイトルを付け原因を書き出します。
これを繰り返し行い、自分がやってきた失敗事項と根本原因が並んでいるリストを見てみると、失敗している案件はどういう案件が多いのか、そしてその原因の共通点に気づくはずです。
その共通している部分は、自分のクセや思考の偏りがある部分です。
自分のクセを「ここが自分の弱いところだな」と一度把握すると、次回からそのクセに意識が向くようになります。
そうすると、ミスをしやすい部分は意識的に注意ができるので、「自分のクセに意識を向ける仕組み」ができ、失敗確率がぐっと下がっていくのです。