『ベルばら』『ゴルゴ』が異色コラボ。“全喫煙者必見”の動画が生まれたワケ
「全喫煙者に見て欲しい」などの声が
メッセージ広告に、作品を使うことに対して「怖さ」はなかったのか。
「もちろん、作品の世界観を壊さないように細心の注意を払い、それぞれ事務所チェックもしていただいています。ただ、これまでにない表現だったので、どのように受け止められるのかというのは期待と不安がありました」(JT担当者)
しかし蓋を開けてみれば、〈おもしろい〉〈全喫煙者に見て欲しい〉などと好意的な声が多数寄せられた。
「これはとても珍しいことです。これまでのマナー広告は、落ち着いたトーンのものが多かったのですが、今回はキャラクターが立っていて、はっきりとしたメッセージ性があったためか、内容まで受け止めてくださっているなという実感がありました」
お行儀の良いゴルゴはイヤという声も!?
「喫煙所があるから煙たい」という声があるのも事実だ。しかし、喫煙所を完全撤廃したらしたで、〈喫煙所がなくなったため、かえってポイ捨てや隠れ喫煙が目立つようになった〉という弊害の事例は後をたたない。
JTは、喫煙所について「屋外の公共喫煙所については、自治体と一緒に考えていかなくてはいけません。その他の喫煙所については、施設管理者に対してコンサルティングや助成金のアドバイスもしています。また人の導線を工夫するなど、煙がなるべく漏れようにするにはどうしたらいいかということも研究し続けています」と、今後ますます積極的に取り組む予定だ。
ところでネットには、〈ゴルゴはところ構わず吸いまくりでは〉〈ゴルゴが喫煙所で吸ってたら嫌だ〉といった声も散見されたが、作品内は鉄砲だって撃ちまくる場所なので、“治外法権”といったところか。ゴルゴさんだって、漫画から飛び出したら今や喫煙所が減ることに青ざめてしまう「スーシャルディスタンス」時代なのである。
<取材・文/吉河未布>