ホテルのスタッフに怒鳴り出して…GoToキャンペーンで気付いた彼の本性
旅行で初めて気付いた彼の気質
「結局、彼は極度のケチだったんです。観光地をひたすら回るのも、料理の値段に文句を言ったり、スタッフに無理を言うのも、お金を出したんだから、とことん元を取ろうとしているんだと思いました。でも、それだけならまだいいんです。何よりも嫌だったのは、自分さえよければ良いという考えで周囲を振り回すことです。
普段、彼は毎月の交際費を決めていたようでした。これまでは会う回数も少なかったこともあってその枠内で収っていたので、彼の本性が表に出ることもなかったんだと思います」
そんなことを考えながら、松本さんがようやく休めたベッドで目を閉じていると、浴衣の隙間から彼の手が滑り込んできて……。
我慢の限界に達し帰宅
「彼はその気になっていたようですが、私は疲れきっていたので断りました。それでもしつこく誘ってきましたが、本当に無理だったので、途中からは寝たふりをしたんです。そうしたら、『こっちはいくら出したと思ってるんだよ。義務ぐらい果たせよ』と怒鳴りだして、心底がっかりしました」
翌日も、朝食を短時間で済ませると、過酷な観光地巡りが始まったそうですが……。
「昨夜の彼の言葉がショックでよく眠れなくて疲れも取れていなかったので、『もう少しゆっくり回りたい』とお願いしたんです。そうしたら、彼は『金を払ってるのは俺なんだから言うことを聞け!』とまた怒鳴りだしました。私もいい加減我慢の限界を迎えていたので、自分の分の交通費と旅行代金を渡して、電車に乗ってひとりで帰りました」
その後、彼から来た電話やLINEは全て無視して、彼との関係は終わったそうです。旅行では本性が出ると言いますが、コロナ禍での旅行はなおのこと露呈しやすいものなのかもしれません。
<取材・文/和泉太郎 イラスト/田山佳澄>