コロナ特需の「オンライン英会話」「家事代行」人気の理由
依頼は3倍増、家事外注は新日常に
食事を作ったり洗濯掃除をしたりと自宅での生活には家事がつきものだが、その生活に必要な作業を外注する人が増えている。都内で家事代行業を営む、ゆきこ氏は「6月以降はコロナバブル」と話す。
「主な仕事は料理や掃除の代行です。週に5日、2軒のお宅に訪問して作業をしています。緊急事態宣言下の4月と5月は、リスクが高いと思ってあえて仕事をセーブしましたが、6月に再開すると、『待ってました!』と通常の3倍の依頼が殺到。訪ねたなかには、家事代行を頼めなかった2か月分の洗濯物がまるまる溜まっている家もあり、ショッキングな光景でした」
彼らはもはや家事代行を頼む前提で生活しているわけだ。定期利用者は20~30代の共働き家庭や、20代の独身男性などがメイン。この世代は家事をアウトソーシングすることに抵抗がないという。
「小中高の休校で、子どもの昼食を用意しなければならず、以前のように家事に手が回らなくなったご家庭からのお試し依頼も増えました。そのうち1~2割は定期のお客様になると予想しています」
3月の依頼発生数は約2.4倍に
実際、家事代行マッチングサイト「タスカジ」の和田幸子社長によれば、2020年3月の依頼発生数は休校措置前に比べて約2.4倍に達したという。また、日本人男性の家事参加率の低さは世界的に有名だが、彼らの意識にも変化の兆しが。この数か月間で利用者層に変化が表れたと和田氏は指摘する。
「在宅勤務になった男性が、外勤の妻に家事を頼まれたものの手が回らず、家事代行を依頼しているようです。あまり家事に参加していなかった男性は、仕事と家事の両立の難しさを痛感しているようです。急激に利用者が増えるわけではありませんが、今後も家事代行市場はじわじわと拡大していく可能性が高いですね」
奇しくも、新型コロナは家庭にさまざまな気づきを与えたようだ。
<取材・文/山田剛志・真島加代(清談社)>