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「1泊500円でも来客ゼロ」コロナに翻弄されたゲストハウス

ビジネス

新規事業で生き残りを懸ける

ゲストハウス

野口さん自身もキッチンで腕を振るう

 一定数の観光客が海岸を訪れていることに目をつけて、8月にはゲストハウス内にプラージュ食堂をオープン。かき氷やしらす丼など、夏の湘南らしいメニューを取り揃えた。

「新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけで長期滞在されることになったゲストのなかに、元洋食店のシェフだった方がいらしたことが、食堂を始めたきっかけです。

 内装や設備工事、さらには保健所の許可申請など、準備にはおよそ2か月かかりました。今年は梅雨が長かったこともあり、客足は思ったほど伸びない時期もありましたが、それでも休日になると、多くの人に訪れていただいています」

 ゲストハウスでの縁がきっかけでスタートした新事業。野口さんは灼熱の海岸で日々地道なPR活動を続けている。

「ワーケーション」の恩恵も

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワークの長期化や、遊びながら働く「ワーケーション」の推進によって、都心を離れて働くライフスタイルが注目を集めるようになってきた。

「外国人観光客は減りましたが、都心から非日常を求めて泊まりに来られる方は多くなりました」と話す野口さんだが、かくいう彼自身も、かつてはこのワーケーションに憧れていた一人だったという。

「以前は、映像の撮影現場で照明を担当していました。やりがいのある仕事でしたが、生活は不規則。海外旅行でマリンスポーツが好きだったこともあり、いつかは海の近くで働きたいと思っていました」

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