彼氏との不仲話に隠された秘密

「彼氏のことも『あんなやつどうでもいい』とか口にするようになっていましたし、彼女のほうからスキンシップをとってくる頻度も増えていたので、イケるんじゃないかと思うようになりました」

　いよいよ告白のプランも考えるようになった新井さんでしたが、驚くべき話が耳に飛び込んできます。

「同期から、彼女が先輩と結婚するという話を聞かされたんです。まさかあれだけ不満を口にしていたので、そんなはずはないと思いました」

　それでも不安になった新井さんは、彼女に噂の真偽を確かめてみることに。

「聞いてみたところ、『そうだよ。結婚する』とあっさり言われました。今まで散々口にしていた不満はなんだったのかと思いましたが、あまりにも平然と認めるので、何も言えませんでした」

　失意の新井さんでしたが、追い討ちをかけるような話を聞くことになります。

周りには嘘を吹聴していた

「同期の女子から聞いた話によると、自分は彼女が先輩と結婚するためのダシに使われていたようでした。彼氏の浮気を戒めるため、彼女自身も浮気をしていることを匂わせるのに、利用されていたんです。彼女と自分が写っている写真や、彼女が自分に送ってきていた意味深なLINEを見せられた先輩は、焦りを覚えるようになって、彼女に求婚したそうです」

　さらには、新井さんは濡れ衣まで着せられることに……。

「一部の女子社員の間で、彼女は私と浮気しているのではないかと噂になっていたそうなんですが、彼女はその噂を打ち消すために『一方的に言い寄られて困っていた』と説明し、それが真実のようになってしまっていたんです」

　その後、彼女は寿退社して会う機会はなくなりましたが、いまだに彼女が夢に出てくることがあり、そのたびに最悪の気分になるそうです……。

＜取材・文／和泉太郎　イラスト／田山佳澄＞