平均年収1839万円「キーエンス」元トップ営業マンが語る“社会人の極意4つ”
極意② 3年目以降はメモをとるな
――メモについても持論があるそうですが。
天野:これも先輩から教わったことですが、僕は3年目以降の社員には極力メモをとるな、と言っています。どういうことかというと、ビジネスの現場は日々いろいろなことが複雑に絡み合っています。ですから、それら全てをメモして記憶することは不可能なんですね。
それに、メモをしたノートってどれくらいの頻度で読み返しますか? ほとんど読み返しませんよね(笑)? 極論ですが、読み返さないということは忘れていいこともたくさんあるわけです。だから、本当に大事なことだけ頭の中に入れておけばいいんです。
――天野さんも一切メモはとらないのでしょうか?
天野:まったくとらないわけではありません。今もiPadなどを使って本当に必要な情報はメモをとります。
メモには記憶への定着を促進したり、後から振り返りやすくなるといったメリットもあります。ですから、僕は経験を積むにつれてノートの大きさをどんどん小さくすることをおすすめしています。1年目や2年目の社員はどれが忘れてはいけない情報なのかわからないので、たくさんメモをとってもいいと思います。ですが、3年目くらいからはメモの量を減らし、本質をとらえてそれをすべて頭で覚えてほしいと思っています。
極意③ 理解できなくても一旦やってみろ
――天野さんが一緒に働きたいと思う優秀な人材とはどんな人でしょうか?
天野:素直な人ですね。先入観がある人は、その先入観が成長を阻害してしまいます。「こうしたほうがいいよ」と言われたら、まずは「やってみよう」と考えられるかが大事です。
僕の場合も新人時代に会社の方針がよく理解できていませんでしたが、ひとまず先輩や上司のことを信じて言われた通りに努力しました。すると、営業でも大きな成果を残せるようになりましたし、後から会社の方針も理解できるようになりました。
――素直な人を見分ける基準や判断材料はありますか?
天野:たとえば、僕が何かを提案したときに「やります」だけで終わるのではなく、その場で「〇〇までにやります」と期限を切ってくる人は素直な人が多いですね。期限を切るとスケジュールが明確になり、その後の行動も早くなりますからね。