非モテ男28歳、コロナ禍で大変身「このままでは結婚できない」と焦り
友人に習い自身も“変身”することに
「あの非モテのKがマッチングアプリで無事彼女ができて、しかも結婚まで秒読みという話は良い意味でショックでした。比較的短期間でそこまで変化できたのなら、自分にもできるんじゃないかと思ったんです。僕はこれまで彼女がいなかったんですが、もしかしたらと希望が持てました」
堀田さんはさっそく実行してみることにします。Kさんと同じように、セレクトショップで服を選んでももらい、髪型も自分に合うものをオーダー。準備は万端かと思いきや、マッチングアプリだけはどうしてもやる勇気が出ず……。
それでも、これまでとはルックス面で大きく変化した堀田さん。思わぬところから反応があったのだとか。
「会社内でリモートの打ち合わせをしたところ、数少ない女性の先輩から『なんかカッコ良くなった』と言ってもらえたんです。実は前からいいなあと思っていた人だったので、なんとかしたいと思ったんですが、あまりにも女性経験が少なさすぎて、どう進めていいのかわからなかったんです」
「カメラ映りに注意しろ」と助言
「そこでKを頼ることにしました。彼は先輩の性格や趣味などを細かく聞き出すと、仕事の話題を中心としたトークの進め方を伝授しくれました。すると、とんとん拍子にことが進み、その先輩の女性と2人っきりでオンライン飲み会をやることに。Kからは『カメラ映り』に注意しろと伝授されました」
助言を受け、ライティングやカメラの位置、背景に映っているものまで作り込んだそうです。具体的にいうと、照明は暗めにして、スマホのカメラを仰角になるような位置に、背後には本棚が映るようにしました。準備の甲斐もあって、トークは順調に進みます。
「まずは仕事の話で盛り上げ、その後も好きなミステリー作家の話などでも話が弾みました。何度か『カッコ良くなった』と褒めてくれて、すごく良い雰囲気でした。Kにも報告したら『それはイケるよ』とお墨付きをもらいました。ただカメラ映りを追求し過ぎたので、逆に不安になっているんです……」
ビデオ通話アプリの美肌機能も駆使して、本物の数割増しのルックスになっていたことを危惧する堀田さん。このまま仲が進展して、会うことになったら幻滅されないかを心配しているそうですが、それでも、デートの日を心待ちにしているそうです。
― 特集 コロナ時代の若者たちの変化 ―
<取材・文/和泉太郎 イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>