自分にとって「満ち足りたキャリア」とは何か?仕事がうまくいく秘訣
自分のキャリアを題材に設定しよう
いきなり企業全体をターゲットに論点設定の訓練をしても難しいので、自分の部署やチーム、というレベルで訓練してみてもいいでしょう。ただ、さらにより手軽で興味を持ってできる訓練としては「自分のキャリアを題材に論点設定してみる」ということをおすすめします。
みなさんは厳しい就職活動を潜り抜けたうえで現在の仕事に邁進していると思いますが、自信をもって「自分はこういうキャリアを築いていくんだ!」と言い切れる人はどれだけいるでしょうか。「キャリアは可変的なものだから、そんなにガチガチにしなくてもいいんだ」という声に流されて、目を背けている人も多いのではないか? と思います。
もちろん、キャリアは年を経るごとにどんどん変わっていくもので、「これしかないんだ!」と、ガチガチにする必要はないとぼくも思います。また、ヘンにいろいろ考えるよりも、目の前のことに打ち込んだほうがいい結果が出る、というのも真でしょう。
とはいえ、「だから、将来のキャリアを考える必要がない」という答えにはなりません。やはり、ある程度は自身のキャリアについても明確な方向性を持っておく必要があるとぼくは考えています。
大論点は「満ち足りたキャリアとは何か」
そういう意味でも、「論点設定」をキャリアを考えるときに使うのは良いことだと思うのです。「自分にとって、満ち足りたキャリアとは何か?」を大論点として考えていくと、論点を設定する力をつけつつ、自身のキャリアについても明確化できます。
例えばですが、「満ち足りたキャリア」を「定性的要因(数値化できないもの)」「定量的要因(数値化できるもの)」に分けて考えて、定性的要因の下に、さらに「対自分」「対他者」で分ける。定量的要因については、「労働時間」「稼げる金額」みたいな形でしょうか。
そうやって分類していった後に、「自分にとって一番重視すべき論点はどこか?」と自問自答し、自身のキャリアの方向性を固めていくのです。
論点を設定していくプロセスを学びつつ、自身のキャリアについての方向性も見えてくるので、これはかなりおすすめです。論点設定について深く学びたい人は、ボストンコンサルティンググループ元日本代表内田和成氏の『論点思考』を読んでみるといいと思います。
<TEXT/元戦略コンサルタント Shin>