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「投資は500円でできるゲーム」最初に選ぶべきものをプロがズバリ解説

コラム

iDecoとNISAはどちらに投資すべき?

――つみたてNISAの170本の投信から、どんなものを選ぶのがよいですか?

森永:基本的に僕がおすすめするのは、若い時なら多少相場でやられても、給料が安定的に入ってくるし、まだまだ年功序列的な要素も残ってるので、給料の額も少しとはいえ上昇していく。若いときは比較的リスクを取りやすいはず。

 読者は20代、30代が多いでしょうから、株式だけに投資するというリスク高目のポートフォリオを組んでもいいと思います。S&P500(S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカの代表的な株価指数)に連動するインデックス投信をまるっと1本買うのもいいです。

「アメリカだけでは嫌だ」というのであれば、全世界株式に分散投資するファンドもありますし、逆に「俺は日本が今後伸びると思っている」のであれば、TOPIXや日経平均に連動するインデックスファンドを買ってもいい。

――iDeCoについては、いかがですか?

森永:NISAとiDeCoどっちがいいか? という話になると正直、iDeCoのほうが節税効果が高いです。なぜなら自分で拠出した掛金が全額所得控除となり、所得税と住民税の負担が軽減されるので。しかし、若者にとってのiDeCoの欠点としては、60歳になるまで原則引き出すことができない。そう考えると、つみたてNISAのほうが柔軟性はあります。

 たとえばマイホームを買うのに頭金が必要になった、子供が私立に行くので教育資金が必要になったなど、ライフイベントでお金が必要になった時、NISAであれば取り崩すという選択もできますが、iDeCoはそれができませんから。

投資は「人間のゲーム」身銭を切って学べ

森永康平

森永康平『いちばんカンタン つみたて投資の教科書』(あさ出版)

――個別株への投資はどうですか?

森永:今ってネット証券ですと、100円や500円から投資ができるんですね。なので「とりあえずやれ」とは、よく言っています。日本人ってめちゃくちゃ真面目なので、「よし、投資を始めよう」と思い立ったら、まず本を買ってきて勉強する。そっちに走るんですよ。

 良いことなんですよ? でも投資の世界って、売買してるのは人間だし、投資先の会社を経営するのも人間、全ては「人間のゲーム」なのである意味、投資をする中でのメンタルマネジメントも必要になってくる。そうなったときに、それは座学で勉強しても得られないんです。

 実際に身銭を切って相場を張ると、すごい興奮状態に入って意味もなく毎日携帯で株価を見たり、下落した株をナンピンしたら、そこが下降トレンドの始まりで、やられたり。あるいは、精神的に絶えられなくなって損切りしたら、そこが底で反転がはじまったり。これって相場のあるあるみたいなもので、それらを繰り返し経験することでメンタルは鍛えられます。

 だからやりながら勉強するのが大切で、座学オンリーでは意味がない。「俺にはそんな金ないよ」という人もいるけど、今なら500円あればできるじゃん、という話なのでまずはやってみなさいと伝えたい。500円ならなくなっても痛くないですしね。

いちばんカンタン つみたて投資の教科書

いちばんカンタン つみたて投資の教科書

人気経済アナリストが、つみたて投資の魅力や投資のポイントを平易な言葉でわかりやすく解説。安全に資産を築くために「何から始め」「何を買い」「どう続けたらいいか」までわかる!

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