コンビニまで徒歩20分!新入社員が研修中、コロナで“隔離”された…
段階的に解除されつつあるが、新型コロナによる出社自粛の影響は、新社会人にも当然及んでいる。多くの企業で新人研修の延期や自宅研修といった対応がとられている。
自宅から通っている新社会人ならリモートワークになっても生活にそれほど影響は出ないが、入社をきっかけに住処を移した人の中には、かなりの苦境を強いられているケースもあるようだ。
緊急事態宣言が出て、自宅や社員宿舎で待機へ
東京に本社を置く設計会社に就職した新社会人の須川航己さん(仮名・22歳)。4月1日より九州某県にある社員宿舎に泊まり込みで2か月間の新人研修を受けることになっていた。
「九州某県への引っ越しが決まった時点で新型コロナは、かなり騒がれていましたが、僕自身、今ほど事態を深刻に考えていませんでした。東京を離れて地方で過ごせるなら、むしろ感染リスクも減って良かったくらいに思っていました」
3月中には引っ越しを終え、予定通り4月1日には研修が開始。全国7都府県に緊急事態宣言が発令された4月7日時点では、まだ研修が続いていたが、4月16日に対象地域が全国に変更されたことで一転、中止が決まったという。
「研修中止と聞いた瞬間は正直『ラッキー!』と思いました。給料も通常通り出ると説明がありました」
しかし、この後、須川さんは苦境に直面することになる――。
やることがない…「退屈」の恐怖
研修が中止となり、須川さんには会社から自宅待機の指示があった。
「自宅待機と言いますが、新入社員たちが東京の自宅に帰れる訳ではなく、実際は全員宿舎で待機です。会社として当然といえば当然の判断なのですが、これを聞いてがく然としました」
須川さんの住んでいる社員宿舎があるのは、繁華街どころか住宅街からも離れたド田舎。農地に囲まれた何もない空間に宿舎だけが建っているという環境だった。
「デパートやスーパーなんてありませんよ。最寄りのコンビニまで行くのにも徒歩20分かかります。外出自粛とか関係なく、本当に外出する場所がないんです」