新型コロナでイベント自粛の中、ライブ配信アプリ「17 Live」が描くエンタメの未来
新型コロナウイルスの感染拡大が進み、音楽ライブやコンサート、演劇などのイベントが相次いで中止や延期を発表している。
エンタメ業界にとっては大打撃であり、どのように危機を乗り越えていくか、業界全体が頭を悩ませている。
そんな中、イベント開催の代替案として注目されているのが「オンラインによるライブ配信サービス」だ。
会場に足を運ばずとも、アーティストのライブパフォーマンスをスマートフォンから観ることができるのだ。全世界に4200万ユーザーを抱え、日本No.1ライブ配信アプリ「17 Live (イチナナ)」を運営する株式会社17 Media Japan CMOの横内皇太氏にライブ動画市場の動向と、今後の展望について話を伺った。
未成熟なライブ動画市場
ライブ配信自体は、「ニコニコ生放送」や「TwitCasting(ツイキャス)」といったサービスが登場して以来、日本でも親しまれている。
近年では、「LINE LIVE」や「SHOWROOM(ショールーム)」、「MixChannel(ミクチャ)」などのアプリ上から簡単にライブ動画を視聴したり、配信したりできるようになった。
「17 Live」はそんなスマホライブアプリの先駆者であり、ライブ動画市場を創ってきたサービスだ。横内氏はその動向について次のように分析する。
「ライブ配信の市場は、実を言うとまだ確立されていないのが現状です。『動画配信』と『ライブ配信』の境目がユーザーはもとより、サービスを提供する側もきちんと区別できていないのが一因としてあると思います。そのため、ライブ配信の主流となるコンテンツもライバー(ネットでライブ配信を行う人)によりけりで定まっていないため、成熟しきっていないと考えています」
5Gサービス開始で急速に市場発展
まだまだ、伸びしろがあるライブ動画市場だが、2020年3月末から大手通信社の5Gサービスが開始されるのを皮切りに、急速に市場の発展が期待されるという。
「17 Liveは、他社のように動画配信のいちカテゴリーにあるライブ配信という位置付けではなく、ライブ配信に特化して市場を創ってきました。5Gの3つの要素である『大容量』『低遅延』『同時接続』は、まさにライブ配信と親和性が高く、今年は市場が伸びるのではと考えています。ある調査によると、2020年はライブ動画市場の規模が7000億円になるとの試算も出ているくらいです」
5Gの普及がライブ動画市場を後押しして市場が拡大するとの見立てがある中、ライブ配信サービスを手がける企業の競争は激化すること必死だろう。