「わからないこと」を放置してしまう新入社員が考えていること
出張先に同僚から入った一本の電話
そんなとき指導員や教育係がそばにいないとなると、仕事がそこで止まってしまいます。スピーディーな育成に必要なのは、あなたが不在時に生じる新人の疑問をいかに解消できるかということです。
私も新人を指導していたとき、もう少し教える時間をとらないとと思いつつ、会議が次々と入ってしまい、そうこうしているうちに出張に行かねばならず、なかなか新人と直接会えないことも多々ありました。そんなとき、出張先に同僚から電話が入ったのです。
「あなたが担当している新人がだいぶ暇しているように見えるけど、大丈夫か?」
私は、新人が時間を有効に使えるように仕事を適切に渡していました。しかし、入社当初はまわりの先輩に質問しづらいものだとわかっていたにもかかわらず、新人の疑問を解消してあげられるような対応はほとんど意識していませんでした。そのせいで新人は何をしていいかわからない状況に陥っていたのです。
「困ったら電話かけてきて大丈夫だよ」
私はそれから、このときの反省に基づいて、自分がいないときに質問したくなったときの対応をあらかじめ新人に指示しておくようにしました。
「もしわからなければ、メールで聞いてきて」
「困ったら電話かけてきて大丈夫だよ」
「この部分については、〇〇さんに聞くといいよ」
「この部分で困ったら、私以外の誰に聞けそうかな?」
そして、もし聞けそうな人がいなければ周囲の協力者に「いま、新人が〇〇の業務をやっているんだけど、今日私が不在になるので、もし困っていたら、新人に声をかけてもらってもいいですか?」と口頭で伝えておくようにしましょう。