「眼科医はレーシック手術を受けない」説の真相は?眼科医に聞いた
よかれと思って取り入れていた習慣が実は健康を蝕んでいたとしたら……。そんな考えたくもない「不都合な真実」が存在する。各分野の専門医に気になる真相を聞いた!
「緑を見ると目が休まる」「目は水で洗う」はウソ?
スマホやパソコンなどで長時間にわたって目を酷使することが多い現代人。だからこそ、誤った習慣は人生を大きく狂わしかねない。「視力回復についての誤解は少なくありません」と指摘するのは眼科医の平松類氏。
「視力回復における“常識”といえば『目が疲れたときは緑を見る』ですが、これは誤解。肝心なのは緑を見ることではなく、視点を近距離から遠距離へ切り替えることです。昔は森や山などの緑が遠方にあったので、『緑を見ろ』と言われていただけで目を休めたいのならば1時間に1回、2m以上離れた場所に視線を移せば十分」
以前は「健康のため」と習慣づけられていたことが、現代では真逆となる事例はほかにもある。
「プールのあとには目を洗うのがかつては常識でしたが、実は目を直接水で洗うと、表面の水分や脂などの成分が流され、ドライアイを引き起こすため、現代ではもう推奨されません」
また、目薬は価格が高い商品ほど有効成分が多くて効果があると感じやすいが、これには医学的な裏づけはない。
「本当に必要な成分は一番安い目薬にも十分入っています。一度、開封した目薬は1か月ほどで使い切らないと、細菌が増えるリスクが高まるため、高価なものを買うくらいなら安いのを使い捨てで使ったほうがよほど健康的です」
目のマッサージは自殺行為…
また、疲れ目の対策としてついやりがちな目のマッサージも実は自殺行為とのこと。
「眼球は物理的な刺激に弱く、刺激すると、網膜剥離や白内障を起こします。疲れ目対策としては温めることをおすすめします。こすった手やおしぼりなどを目の周りに当てて温め、血流をよくすることで目の潤いを保つために必要な脂が分泌されます」
まだ20代のbizSPA!世代には先の話だが40代以降、老眼で視界がぼやけてくる人は少なくない。とはいえ、老眼鏡にすぐに頼ってしまうと進行を早めてしまいそうだが、実はこれも大きな誤りだという。
「40~50代になれば、ほぼすべての人に老眼の兆候が出てきますが、早く老眼鏡を使ったからといって、老眼が進むわけではありません。また、コンタクトレンズは昔はハードのほうが目にいいとされていましたが、今はソフトの素材の質も上がっています。ただ、適切な保存をしないと細菌が繁殖して目に悪影響を及ぼすため、ワンデータイプを使い切るほうが無難です」