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入社早々、広告業界セミナーで20万をドブに捨てた若手社員の後悔

学び

 仕事に対し、それなりの成果が求められる会社員。とはいえ、新人のうちは業界や仕事について「勉強熱心な姿勢」だけでも評価されることがあります。

会社員

※画像はイメージです(以下同じ)

 知識を実践的に活かすのは、もう少しあとで、「勉強する意欲」だけでも評価される新人時代。でも、そんな「意欲評価」期間は、本当に必要な情報やスキルの選別もできないため、業界研究や営業スキルの本を大量に購入したりして、浪費をしがちです。なかにはオンラインサロンや情報商材などを間違えて、大損害が起こることも……。

業界研究とクリエイティブな視点を求めて

 就活を真面目に行い、中堅とはいえ、憧れだった広告代理店に勤務している、甘木裕翔さん(仮名・22歳)

 入社直後から研修の日々で、業界のことやクリエイティブの知識を叩き込まれます。そんな研修もそろそろ終わる頃、上司に誘われたのが、某専門出版社が開催する広告業界セミナーでした。

「一流コピーライターや有名雑誌編集者など登壇者も豪華で、普段なかなか知りえない情報や視点を学ぶことができる。『クリエイターとしても名を上げていきたいなら、行ったほうがいい』と上司に言われて、体験しに行きました。

 ただ唯一、ネックだったのが、1年間で20万円弱という新卒にはツラい価格設定。上司に『たんまりボーナスもらった時にボーナス払いしな』と言われ、思い切ってローンを組みました」

 確かに面白い話や、物珍しい視点が得られ、仕事の中でも役に立つかもしれない、この手のセミナー。20代のbizSPA!世代には予想外に甘くない値段設定ですが、頑張り次第では元を取ることもできそうです。

仕事の繁忙と共に意味を失っていくセミナー

ビジネス

 しかし、甘木さんがセミナーに入会して、わずか3か月で「入会したことを後悔した」と言います。

「研修が終わってから、通常の業務がどっと忙しくなりました。研修で学んだことが活かされているのかも分からないまま、事務的な確認やクライアントとのコミュニケーションで手一杯。残業も増えましたし、休日出勤も頻繁にあります。そんななか、週2日もあるセミナーに参加するのはとても大変で、欠席する日が徐々に増えていきました」

 そのうえ、課題の提出まである。これのフィードバックが、セミナー参加の大きなメリットだったのですが……。

「もちろん、課題もこなしたい気持はありましたが、疲れ切った体で帰宅した後は死んだように寝てしまうことも多く、セミナー当日にあわてて作成し、満足いくようなモノを考えることもできない……という日々が続きました」

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