東ハト、ロングセラー「キャラメルコーン」に込められた創意工夫とは?
そんな数多くのロングセラー商品を抱える老舗の東ハトですが、2003年に関連会社所有のゴルフ場不振から、460億円もの負債を抱えて倒産を経験しています。ただ、本業の菓子製造販売は堅調であったため、ユニゾンキャピタル傘下にて、バンダイと丸紅の協力も得て、再建に成功しました。
その際に再建策の一環として、プロサッカー選手の中田英寿氏を非常勤の執行役員CBO(Chief Branding Officer=最高ブランディング責任者)として迎えたことが当時話題になりました。
ここでやや気になるのが、CBOという役職。いわゆる“C(x)O”と呼ばれる存在なわけですが、CEO(Chief Exective Officer=最高経営責任者)やCFO(Chief Financial Officer=最高財務責任者)、CTO(Chief Technology Officer=最高技術責任者)といった、よく目にするものと比べると、少し見慣れない存在ですね。
「代表取締役」「社長」「CEO」全部同じ意味なの?
そもそも、この“CxO”あるいは“Cスイート”と呼ばれる役職、“代表取締役 社長 CEO”みたいな役職表記も近年は大企業からベンチャー企業まで、幅広く見かけるようになりましたが、もともとは1980年代頃に欧米で使われ出し、日本では97年に執行役員制度を導入したソニーがその先駆けと言われています。
その目的は、経営に対して、監督責任を負う取締役(Director)と執行責任を負う責任者(Officer)の役割を明確に区分し、より良い企業統治(Corporate Governance)を実現するためのものです。
なかなかわかりづらいところではあるので、ざっくり言うと、「各企業の取締役は本来の重要な仕事である株主への利益還元と説明責任にもっと意識を持ちましょう。一方で、個別の取り組みや課題ではあるものの、各部門長で完結せず、経営レベルの判断や調整が必要なミッションに対しても、積極的に対応できるよう、“CxO”を経営陣に配置して対応しましょう」という感じでしょうか。
あくまで個人的なイメージですが、例えば技術担当の幹部職で考えると、
●取締役(技術担当)=株主に対して、主に技術面の投資責任を負う
●技術部長=社内(外)に対する、技術部門の責任者
●CTO=社外(内)に対する、技術全般に関する会社の顔
というような感じでしょうか。とはいえ、上記の役割を“取締役”だけで担っている人もいれば、“執行役員 CTO”みたいな人もいるので、法的な取締役と違い、あくまで各社が勝手に定義した言葉遊び的な部分もなくはないです。
会社のおこだわり? 変わり種“CxO”
ちなみに、東ハトを支援したバンダイナムコグループには、
「CGO(Chief ガンダム Officer)」
「CTO(Chief たまごっち Officer)」
「CPO(Chief パックマン Officer)」
といった主要IPごとの“CxO”が存在し、役員が担当しています。
要は「企業として経営レベルで何を重視しているのか」の現れとも言えるわけで、少し変わったものを見かけた際はその企業の経営方針を知る上で、良いヒントになるかもしれませんね。
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<TEXT/平野健児>