社長と対立し、20代で独立した元社畜の逆転劇。成功の秘訣は…
独立後、昔のクライアントからの嬉しい連絡
もちろんクライアントに迷惑をかけないように小林さんはすぐには辞めず、4か月近くかけて後輩にしっかりと業務を引き継ぎ、2年半ほど働いた会社を辞めたそうです。
「会社を辞めたあと、僕はフリーランスでディレクションやコンサル、マーケターとして仕事を取るようになりました。安定はしていないけれど、自分の理念に忠実に働けるフリーランスの働き方は、僕にとってやりやすく、楽しい生活でした」
フリーランスとして働いて3か月。スタートアップで働いていた時の大手クライントの担当から、一通のメールが届きます。それはこんな内容だったそうです
「引き継ぎ後、元御社の担当とやり取りさせてもらっていましたが、小林さんのお力がどうしても必要なように感じています。どうか、もう一度コミットしてもらえませんか?」
ブラック労働から逆転劇を起こせた理由
「フラフラになって働いた甲斐があったのです。会社を辞めても、僕自身を必要としてもらえたのです。そのことが本当に嬉しくて、もちろん喜んで仕事を受けました。
忙しいのは相変わらずですが、自宅での作業なので、無理なく頑張れています。元いた会社からマーケットのリアルな情報やプレゼンの仕方など、盗めるものをすべて盗んだのが大きかった。おかげで、生活も安定しています」
ブラックなスタートアップも諦めず仕事をやりきった小林さんは、結果的に個の力でかつての勤務先から仕事を獲得したのです。
結果として会社に頼らず、自分のスキルを磨いたことに。会社名よりも個人を重んじてもらえる社風だったからこそ、このような逆転劇を起こすことができたのかもしれませんね。
― 特集・ブラック企業の辞め方 Vol.4 ―
<TEXT/ミクニシオリ イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust>
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