千葉駅とともに60年 駅ビル『ペリエ千葉』はなぜ”地元の日常”であり続けられるのか

2026年4月19日(日)、JR千葉駅の駅ビル・ペリエ千葉で、ジェフユナイテッド市原・千葉のJ1昇格記念イベントが開催された。呉屋大翔選手、津久井匠海選手、松村拓実選手がペリエ内の人気ショップのコーディネートで登壇し、ファンとの撮影会には長い列ができた。
プロスポーツチームが駅ビルでイベントを行うこと自体は珍しくない。だが会場がペリエ千葉であることには、それなりの必然性がある。千葉駅の利用者にとって、この駅ビルは日常の動線そのものだ。通勤の途中に寄り、週末に買い物をし、人と待ち合わせる。その場所が地元チームとファンの接点にもなるというのは、60年近くにわたって千葉駅とともにあり続けた施設だからこそ成り立つ構図だろう。
ペリエ千葉はなぜ、これだけ長く地域の日常に組み込まれてきたのか。そして商業環境が変わり続けるなかで、どのような経営判断で次の時代を見据えているのか。千葉ステーションビル取締役でペリエ千葉本店長 吉田英治さんにその真意を聞いた。
商品を売るだけでなく、リアルならではの価値を提供
──1963年に開業したペリエ千葉ですが、60年以上にわたって地域で愛され続けている理由をどのように捉えていらっしゃいますか?

吉田:一言で言えば、地域密着という姿勢です。商業施設にとって、商品を売ることはもちろん大切ですが、それだけでなく、ショップスタッフによる接客を通じたコミュニケーションと共に、訪れる楽しさや居心地の良さというリアルならではの体験価値を提供することにも注力しています。また、館内で快適に過ごしていただくために、通路やトイレなど細かい箇所に至るまで整備してきました。
――今回のジェフユナイテッドとのコラボレーションもそうですが、地域との関わり方について、具体的にはどのような取り組みをされていますか?
吉田:駅周辺をはじめとした地域の情報を紹介するほかに、隠れた名品や特産品を掘り起こし、館内の実店舗だけでなくペリエ公式オンラインストアの両面から発信しています。地道な取り組みではありますが、地域経済のお役に立てるのではないかと考えています。
また、地域の若者や学生との連携も実施しています。例えば、高校生による音楽の演奏会や専門学校生によるスイーツの販売実習、小学生の職業体験イベントなど、若い人たちが主体的に関われる場を積極的に設けています。周辺の自治体で人口が減少している中で、約100万人の人口を抱えるだけでなくエリアによってはまだまだ人が増え続けています。その中心地である千葉駅でのイベントを行うことは、若者にとって貴重な経験の場を提供するだけでなく、街や駅、そして弊社施設への思い入れが深まることにもつながると考えています。
変化を恐れずにまずはやってみる精神を胸に
――社会の変化のスピードが早くなっていますが、駅ビルなどの施設の運営において意識していることはありますか?
吉田:商業施設のほかにECなど、我々は常に競争にさらされています。そうした厳しい環境の中を生き抜いていくには、時代に合わせて大胆に変わり続けなければなりません。変わることを恐れず、変えることに挑み続ける精神を社員の一人ひとりが持つことが大事です。社内で同じ方向を向いているからこそ、駅ビルなどの大きな商業施設だったとしても大胆でスムーズな動きができるのだと思います。
場所は変わりますが、弊社が運営をしているJR稲毛駅直結のペリエ稲毛では、食品ゾーンの全面リニューアルをし、新しいフードマーケット『グルマリーナ』が誕生します。※取材時点
また、弊社は駅ビル運営とともに JR の海浜幕張、稲毛海岸、検見川浜、幕張豊砂の4駅の運営業務を受託しています。鉄道というインフラと、駅ビルという商業施設を一つの屋根の下でオペレーションできることは、他にはないメリットや価値を孕んでいます。そういった視点の違いを融合させて新たな可能性を追求していきたいですね。
――最後に、今後の展望についてお聞かせください。

吉田:今後の大きな節目として、2つの重要な軸があります。ひとつは、ペリエ千葉がある千葉駅が生まれ変わってちょうど10年という点。もうひとつは、千葉市のまちづくりが始まって900年という歴史的な年であることです。このタイミングで、あらためて地域目線を大切に、行政やJRと協力してどのような新しい価値を創造できるか、今まさにしっかりと考え、実行に移すべきと考えています。これからも、お客様にさまざまな体験価値を提供しながらペリエ千葉のファンを広げていき、地域全体を盛り上げていきたいと思っています。
文:bizSPA!編集部
写真:bizSPA!編集部、千葉ステーションビル