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きっかけは性的な冗談から…“セクハラありきの関係”の上司とどう向き合うか

学び

 今ではハラスメントの種類はたくさんあることが知られています。いろいろあるハラスメントのフルコースは想像するだけでも恐ろしいですが、実はセクハラするタイプの人はパワハラもセットになっているケースが多いのも事実です

職場

※画像はイメージです(以下同じ)

 そこには共通する理由があります。本記事ではハラスメント専門家である一般社団法人日本ハラスメント協会代表理事の村嵜要が職場で起きるセクハラが、ある日を境にパワハラに変わる、その共通する理由について解説いたします(以下、村嵜氏寄稿)。

メディカルセンターで過去にセクハラ事件も

 2019年に地域中核病院「東千葉メディカルセンター」(東金市)に勤務する30代の女性職員が60代の男性上司から、セクハラとパワハラ被害に遭う事件がありました。

 男性上司を車で社宅まで送った際に部屋で無理やりキスをされ、肉体関係まで迫られました。女性職員はその場から逃げましたが、その後は約1年間にわたり男性上司から暴言を吐かれたり、専門外の業務を命じられるなどのパワハラを受けたとのことです。

 女性職員は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症して休職、今年4月に、同病院を運営する地方独立行政法人に損害賠償を求める訴訟を千葉地裁に起こしています。また、上司個人を相手取った損害賠償請求も提訴していて、県警に被害届も提出していたことがわかりました。

きっかけは性的な冗談から

セクハラ

「部下との距離を縮めるため」「仲良くなるため」「緊張を和らげるため」などの言い訳はセクハラをする人の弁解でよく耳にする言葉ですが、セクハラする人は、性的な冗談を言った時に異性の反応を確かめています。大きく3つに分けると「ノリよく合わせてくれる」「笑ってくれる」「拒絶反応を示す」などです。

 性的な冗談を言われた側からすると、拒絶反応を示すことはハードルが高いですが、セクハラする人はこのようにジャブを入れながら、ターゲットを見極めているのです。ノリよく合わせても、その場しのぎで笑っても、セクハラはエスカレートするリスクがあります。

 さらなる問題点は拒絶反応を示した人に対して、報復のパワハラが行われてしまうことでしょう。

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