ソロキャンプの次のブーム「野湯」。マニアが語る危険でもやめられない魅力
山中や海辺で自然に湧いている温泉=野湯が密かなブームになっているという。冒険さながらの秘湯探しが魅力だが、一方でさまざまな危険も潜んでいる。野湯マニアが野湯の楽しみ方やマナー、注意点を指南!
絶景を独占して究極の「大人の贅沢」
コロナ禍でキャンプや登山など密を避けるアウトドアが人気のなか、じわじわ人気が高まっているのが「野湯」だ。テレビでも紹介されるようになり、野湯をテーマにした漫画まで登場。一部のファンの間で盛り上がりを見せている。
野湯とは自然湧出し、人の手がほとんど加えられておらず、近くに商業施設のない温泉。読み方に決まりはなく、「のゆ」「やとう」と呼ばれている。正式な温泉として認められていない野湯は、未発見のものもあり、その数はわかっていない。
野湯マニアで『命知らずの湯 半死半生でたどり着いた幻の秘湯たち』(三才ブックス)を上梓した瀬戸圭祐氏は「寝湯ができる野湯は全国に100くらいはあるのでは」と推測する。
新たな湧出もあり、野湯は増加傾向
新たな湧出もあり、野湯は増加傾向にある。例えば宮城県・江合川沿いにある通称「黒玉の湯」は2010年代半ばに発見されたが、東日本大震災による地殻変動で湧き出したといわれている。
野湯が湧いているのは山中や洞窟の中、海岸の潮溜まりなどさまざまで、沢や滝そのものが温泉というケースもある。群馬県にある「常布滝下の湯」は、滝の裏の半洞窟に温泉が湧いている。
「目の前をものすごい勢いで滝水が落ち続ける、圧巻の湯浴みでしたね」(瀬戸氏)