恐怖の「ブラック企業体験イベント」に見る19の特徴。私の会社は大丈夫?
ブラック企業では有給はないのが普通
次は営業研修の時間です。
「我が社は完全歩合制です。先月のトップ営業マンは、関東B地区で23台売り上げました! その金額なんと100万円!」
「はい、神――!」
「ほら、新入社員も! こういうときは『神ー!』って言うんだよ!」
→【ブラック4】決まり文句が宗教的
「トップのご褒美として有給を2日間プレゼントします!」
「ありがとうございます!!」
トップ営業マンは嬉しそうですが、有給は皆に与えられている権利なのでは……?
「いいか? お前らいらない知恵をつけられてるかもしれないけど、有給なんか普通ないからな! 権利でもない。有給はプレゼント! 覚えておけよ」
→【ブラック5】有給はないのが普通
求人情報をよく読んでみたら…あっ!
ここで「すみません」と手をあげた新入社員の前原さん。怯えながらも「完全歩合制のことでしたが手取りで月収30万円はあるって話じゃ……」と質問します。
上司たちは鼻で笑いながら「君さ、ちゃんと募集案内とか契約書は読んだ?」と、募集案内を見せました。
「ほら、ちゃんと読め。手取りで30万円――“も可能”って書いてあるよね?」
「あ……」と前原さんはショックを隠しきれません。
→【ブラック6】求人情報にカラクリがある
ロールプレイングで訪問販売をやっていきます。スーパーミラクルハッピー社の売れ筋商品は「ツボ押しX 2018」。
「先端部分に磁石がついていて、ツボを刺激すると同時に血行を良くして筋肉の緊張をほぐす優れもの。これを定価30万円で売ってもらいます。これで健康になれるんだから安いよね~」
「ターゲットは独居老人! 独居老人しか攻めちゃダメです! 独居老人だけ! これ一択だから!」
悪徳業者の匂いがプンプンします。これは架空の商品だから……といっても、実際世の中には効用もよくわからないのに異常に高価な商品もあるわけです。ありえない話ではありません。
→【ブラック7】商売の仕方が詐欺まがい
「感情のぶつかり合い稽古」とは
上司がロールプレイングの見本をやったのち、指名された新入社員が挑戦。声が小さい前原さんは、何度チャレンジしても認めてもらえません。
「ダメだコイツ。じゃあ“感情のぶつかり稽古”しまーす!」
何を始めるのかと思ったら、もう1人新入社員を前原さんの前に立たせて、こう指示しました。
「コイツに向かって『死ね、くず!』って言ってあげて。物を売るには、感情をさらけ出さなきゃいけない。前原さんのために感情を引き出してみよう」
指示された新入社員は言いにくそうにしながらも従います。
「死ねクズ!」
「死ねクズ!!」
「死ねクズ!!!」
もう見ているだけで胃がキリキリします。
「おお~!! いいじゃないか!! みんな拍手!!」と上司たちは満足げですが、前原さんの顔は暗くなっていきます。
さらに上司たちが囲って暴言を吐くと、追い込まれた前原さんは「うわあああ」と泣き出してしまいました。
その途端、「……はい! 前川くんの感情が出てきましたー!! この精神力に拍手ー!!」と上司たちは祝福。
「よく頑張ったよ! おめでとう!!!」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
人が人を使って思いっきり否定され、最後は異常に持ち上げられる。人があっという間にコントロールされる様子はとてもショッキングでした。
→【ブラック8】人格否定をした後に褒め称え、洗脳させる