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『13歳のハローワーク』の呪縛は今日も会社員を苦しめる――人気コラムニストの「仕事論」

学び

仕事の面白さは「やってみないとわからない」

――職場に好きな子がいたら、それは頑張れるでしょうね。

小田嶋:例えばネジの頭を揃えるみたいな単純作業でも、10年もやっていれば独自のパターンが出てきたりして、達成感や面白みが生まれるかもしれない。でも、それは後付けの発見であって、最初から用意されているものではないし、まして、経験のない人間が就活段階で目指すことのできる境地でもない。

 あくまでも、仕事をやっていくなかで、その仕事に自分なりの面白さを見出していく過程に過ぎない。そういう意味で仕事の面白さって、結局はやってみないとわからないものだと思う。

――やりがいは後付け、ってことですね。

小田嶋:ライターとしてのやりがいだって、私自身ライターになってから知ったことのほうが多い。ライターを目指してなった人は、もしかしたら幻想を持ちすぎてるおかげで、かえって失望したかもしれない。

 私はなりたくてなったわけじゃなくて、流れ着いてここにいる人間だから。ライターってこうなのかって、やり始めてから知る部分がたくさんありました。

<取材・文/西谷格 撮影/詠祐真>

週刊誌などのフリーライター。神奈川県藤沢市出身。上海に6年住んでましたが、最近日本に戻りました。『ルポ中国「潜入バイト」日記』(小学館新書)発売中。ツイッターは@nishitanitadasu

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