仕事ができない社員に振り回されるフリーランスの悲劇
社内のいざこざであれば解決の糸口は見える可能性もありますが、取引先がどうしようもない相手となれば、もはや手の施しようはありません。
今回はそんなブラック取引先に手を焼いている、という体験談を紹介します。トシユキさん(仮名・28歳)はフリーのWEBデザイナーとして、大手メーカーとやりとりをしています。
最初から言い訳をする取引先の担当者に不安
「代理店や制作会社を入れずに、直接メーカーの担当者とやりとりをしています。制作しているのは商品紹介のWEBページです。相手は大手メーカーなのですが、契約したこと自体、後悔しかしていませんね」
トシユキさんが、やりとりをしているメーカーの担当者はTさん(39歳)という女性だそうです。
「発注を受けたときに、Tさんから『他部署から来たばかりなので、ほぼ素人なんですけどお願いしますね~』と軽い感じで言われました。不安もありましたが、ノリがいいし話もうまく、なにより大手メーカーだし大丈夫だろうと鷹をくくっていたんです。実際、今までの担当者はどなたもきちんとされていて、トラブルもありませんでした」
ところが、発注後すぐに暗雲がたちこめます。
契約書も依頼書もない「すべて口約束」
「リニューアルした商品の紹介ページを作ることになったのですが、Tさんから仕事の発注を受けた際、全てが口頭だったんです。契約書も依頼書もなしです。デザインのイメージも『今までどおりの、いい感じで』っていう超適当さ。制作スケジュールも全部口頭で伝えられたので、必死でメモをとりました。
念のためにスケジュールや依頼内容をまとめたものを、確認としてメールで送ったんですけど、返信はなかったです。リニューアル商品ですが、デザインの雛形はあったので、なんとかなるかなと思ったのがダメでした」
案の定、トシユキさんがTさんと仕事を進めれば進めるほど、全てがトラブルになっていったそうです。
「四六時中、鬼のようにTさんから電話がかかってきました。『〇〇ってどうなってる?』とか『デザインに△△も追加したい』とか。こちらの都合関係なく、着信と留守番電話の嵐です。
極めつけは『1週間後に納品予定だった制作物を、2日後の朝一にあげてほしい』と言う電話です。さすがに、それは厳しいと言ったんですけど、『大丈夫、大丈夫! みんな期待してるからー』と煙にまかれました」