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20代のうちに身につけたい「ストレスとの上手な付き合い方」

ビジネス

舟木:身近に頼りになる家族や助っ人がいたり、お金や情報、権限があれば、「自分に自信が持てない」「職場環境が良くない」といった事態でも「なんとかなる」って思えるようになるのではないでしょうか。

――そうした感覚は、社会情勢や景気によって変化するものなのでしょうか? たとえば昔に比べて今は世の中がギスギスしていると言われていますが。

舟木:いつの時代でもストレスは避けられないと思いますが、バブル以前の日本は「昨日よりも今日、今日よりも明日はよくなる」と信じることができていたように思います。それが今は信じられなくなっているのは大きいように思いますね。

大学生の就職先に官僚や政治家の人気がなくなった

財務省

photo by googolnobunaga CC BY 3.0

――一方で人気があるのはどのような企業でしょうか?

舟木:一昔前なら「この国をよくしたい」という思いをもつ学生たちは、高い「有意味感」をもって官僚や政治家を目指していましたが、いま彼らに人気なのは、外資系企業やグローバルに活躍できる企業です。

 官僚や政治家がしばしば批判の対象になるのに対して、学生に人気の企業の多くが、ボランティアなどの社会貢献に力を入れているのは象徴的です。

――ストレスに関する研究を続けている舟木さんから見た「ストレスフルな職業」は何ですか?

舟木:やっぱり、マスコミとIT業界は高いですね。これは仕事量が絶対的に多いためと、日々、仕事が変化していくことが原因です。

 そうなると、やはり「把握可能感」や「処理可能感」が持ちにくくなるので、ストレスも高くなると思われます。IT業界で女性の定着率が低いのは、仕事の変化のスピードが早く、育休を取得するとついていけなくなるからと言われています。それと、環境の変化はポジティブなものも含まれます。

「ストレスは人生のスパイスだ」

――ポジティブな変化もダメってことですか?

舟木:ダメということではありません。ポジティブな変化も、心身に負担がかかるということです。結婚や妊娠、クリスマスといった日常からはみ出すイベントも、体にとってはストレスであり、積み重ねるとなにかしら負担になっているということです。

 ただ、ストレスをまったく感じない状況がいいかといえば、それも違います。ストレス学説を唱えたカナダの生物学者、ハンス・セリエに「ストレスは人生のスパイスだ」という言葉がありますが、適度なストレスはむしろ望ましいのです。

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