<第7回>商品世界を覆う紙幣の海、そして救世主2人が――『貨幣論』と『トイ・ストーリー』を混ぜてみた
みんなで逃げろ! でも、どこへ?
リンネルが荒れ狂う紙幣の海を見つめていると、そこに見覚えのある顔がいました。
上着「助けてくれー!」
コーヒー「お願いだ、引き上げてくれ!」
リンネル「上着、コーヒー!」
お茶「大変だ、捕まるんだ!」
リンネルとお茶は海に身を乗り出して、手を伸ばしました。
上着とコーヒーはその手を必死の形相で掴みます。
上着「はぁ、はぁ」
コーヒー「死ぬかと思った、ありがとう」
引き上げられた上着とコーヒーは息も絶え絶えです。あと少し遅れていたら、そのまま紙幣の海に沈んでいたかもしれません。
お茶「よし、みんなで船に乗って逃げよう」
リンネル「でも、どこへ?」
お茶「この世界から脱出できそうな場所といったら一つしかない」
お茶「『穴』だよ!」
リンネル「!?」
【次回予告】
マルクスのお告げによって作られた方舟に乗ったリンネルたち。4人が向かう先は「穴」。でも、そこでいったいなにが起こるのか? そして、アダム・スミスの見えざる手は? 商品たちの運命はいかに!