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<第7回>商品世界を覆う紙幣の海、そして救世主2人が――『貨幣論』と『トイ・ストーリー』を混ぜてみた

コラム

みんなで逃げろ! でも、どこへ?

 リンネルが荒れ狂う紙幣の海を見つめていると、そこに見覚えのある顔がいました。

貨幣論・上着 上着「助けてくれー!」

貨幣論・コーヒー コーヒー「お願いだ、引き上げてくれ!」

貨幣論・リンネル リンネル「上着、コーヒー!」

貨幣論・お茶 お茶「大変だ、捕まるんだ!」

 リンネルとお茶は海に身を乗り出して、手を伸ばしました。

 上着とコーヒーはその手を必死の形相で掴みます。

貨幣論・上着 上着「はぁ、はぁ」

貨幣論・コーヒー コーヒー「死ぬかと思った、ありがとう」

 引き上げられた上着とコーヒーは息も絶え絶えです。あと少し遅れていたら、そのまま紙幣の海に沈んでいたかもしれません。

貨幣論・お茶 お茶「よし、みんなで船に乗って逃げよう」

貨幣論・リンネル リンネル「でも、どこへ?」

貨幣論・お茶 お茶「この世界から脱出できそうな場所といったら一つしかない」

貨幣論・お茶 お茶「『穴』だよ!」

貨幣論・リンネル リンネル「!?」

【次回予告】
 マルクスのお告げによって作られた方舟に乗ったリンネルたち。4人が向かう先は「穴」。でも、そこでいったいなにが起こるのか? そして、アダム・スミスの見えざる手は? 商品たちの運命はいかに!

1987年生まれ。ライター。2017年に出した書籍『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(共著・神田桂一)が累計17万部。そのほかの著書に『世界一即戦力な男』がある

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