<第5回>「金」の時代の終焉!そして夢にあらわれたカール・マルクス――『貨幣論』と『トイ・ストーリー』を混ぜてみた
嵐の予感……船の建造が進む
紙幣と金が言い争っているころ、リンネルたちのあいだでも動きがありました。
お茶が何やら巨大なものを作り始めていたのです。
リンネル「いったい何を作っているの?」
お茶「船を作っているんだよ」
リンネル「なんでそんなことを?」
お茶「もうすぐ嵐がくるかもしれないんだ」
リンネル「どうしてわかるの?」
お茶「彼が言っていたからさ」
リンネル「この人は?」
お茶「カール・マルクスだよ」
リンネル「マルクス!?」
※カール・マルクス……ドイツ出身の経済学者、哲学者。労働者は資本家に搾取されているとした。主な著書に『資本論』『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』。
お茶「ある日、彼が夢のなかに出てきて船を作るように言ったんだ!」
リンネル「マルクスって、あの巨大な「穴」(※)にも書かれていた……」
※「穴」……第1話で金が出てきた穴。そばの立て札には「カール・マルクスが懸命に開けた穴」と書かれていた」
<TEXT/菊池良 イラスト/タナカカツキ>
【次回予告】
紙幣の大量生産が始まった。「金」以上に刷られると、いったい世界はどうなってしまうのか。そして、進みだした船の建造計画。マルクスのお告げが意味するものとは何なのか!?