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平均年収860万円「完全栄養食ベンチャー」上場以来“株価軟調”が続くワケ

ビジネス

取り扱い店舗は増えたが売上は…

 ベースフードはコンビニエンスストアやドラッグストアでも販売しています。小売店向けの売上高は全体の2割ほど。2022年11月時点で27191店舗への販売経路を確立していますが、小売チャネルの売上を伸ばすことができません

 小売の3Qの売上高は7億4000万円で、前年同期間と比べると2.8倍に伸びています。しかし、このときの店舗数は8000店を下回っていました。取り扱いがある店舗数は4倍近く伸びているにもかかわらず、売上高がそれについてきません。

 仮にコンビニエンスストアやドラッグストアの売上高を伸ばそうとすれば、テレビCMなどのマス広告に頼る必要があります。さらに広告宣伝費が増加して利益を、経営をますます圧迫する要因となるでしょう

 営業活動によって店舗を開拓すること自体は悪くありませんが、消費者の購買意欲を高めるための販売促進を行うことは、悪手である可能性が極めて高いと言えます。

ベースフードの「PSR」は2.1

base

「BASE BREAD チョコレート」

 サブスクリプション型のビジネスモデルを確立したベースフードは、フリーなどのSaaS系の企業と近いように感じられます。それが上場時の企業評価に反映されていました。

 SaaSは赤字でも評価が高まることがあります。先行投資がかさんで赤字であっても、売上高が伸び続けていれば損益分岐点を超え、どこかの時点で黒字転換して収益改善すると考えられているためです。

 赤字のSaaS企業を評価する場合、PSRという指標が使われます。PSR(Price‐Sales Ratio)は「株価売上高倍率」のことで、時価総額を売上高で除して求めます。現在(2023年2月10日)、フリーは9.1倍と高い水準にあり、名刺管理の「Sansan」が10.1倍、ビジネスチャットの「Chatwork」が7.0倍です。しかし、ベースフードはこれが2.1倍と大きく引き離されています

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