プロ入り直後に白血病の診断…病魔と闘うJリーガーに聞く「波乱万丈な半生」
大学進学は「いい選択だった」
──実際、筑波大学に進学してからも揺らぐことはなかったのでしょうか?
早川:もちろん彼らの活躍が羨ましく映ることはありました。ただ、大学に進学したことは、今でもいい選択だったなと思っています。というのも、高校時代は通信制の高校で寮生活を送っていて、そこで完結するような関係性しかしてなかったんです。その経験があって、もっといろんな人と話をしたり、考え方を共有したいなと思うようになっていたのですが、大学では本当にいろいろな人と出会うことができました。
──なるほど。考え方を共有したいと思ったのには、理由があるんでしょうか?
早川:小学生からサッカーをやっている中で、僕より上手な選手ってたくさんいたんです。でも、彼がある日突然、サッカーを辞めちゃうことが結構あったんですね。なぜかというと、上手だからこそ、目の前に壁が現れた時に、どう対処すればいいかわからなくなってしまったからという理由が多かったように感じました。だから、自分の目の前に広がること以外にも触れておこうと思ったんです。
病気のことは一切頭になかった
──プロ入りしてすぐに試合に出場することに。ただ、第1節の試合に出た時には、すでに身体に違和感があったんですよね?
早川:はい。でも、病気のことは一切頭にありませんでした。初めてのプロの試合でしたから、緊張していて疲れているだけなのかなって。プロの世界では当たり前の疲労感だろうと言い聞かせていたんです。ただ、その状態があまりにも続いたので、不安になりました。
──プロ選手として活躍している以上「体調が悪いです」と打ち明けるのにも勇気がいるんじゃないかなと想像します。
早川:おっしゃる通り、いろんな選手と比べて試合に出るかが決まる世界なので、周りの人に弱みを見せたくないというのはありました。「体調が悪いです」と打ち明けて、セーブすることで試合に出るチャンスを失うのも嫌でしたしね。