凋落が目立つ「Netflix」。動画配信で「Disney+」と明暗が分かれた理由とは
Netflix(ネットフリックス)の売上高が減少に転じました。2022年3Qの売上高は79億2500万ドル。2Qと比較して0.6%減少。2000年代初頭までレンタルDVDサービスを行っていたネットフリックスは、2007年に動画配信へと事業転換を図りました。見事な転身で業界トップに上り詰めましたが、早くも成長神話に暗雲が漂っています。
ディズニーを追い抜く時期もあったが…
ネットフリックスの売上高は2018年2Qから2020年4Qまで平均5.5%の高いペースで成長していました。しかし、2021年に入って失速。平均2.6%に鈍化しています。
ネットフリックスのような新興企業にとって、売上高の伸び悩みは深刻。株価は2021年10月29日に690ドルをつけましたが、2022年6月17日に175ドルまで下がっています。2022年の年末ごろから300ドルの水準まで回復しましたが、最盛期の半分以下に留まっています。
ネットフリックスの時価総額はディズニーを追い抜き、フェイスブックやグーグル、アマゾンなどと並ぶ巨大IT企業の一角としてFANGと呼ばれた時期もありました。しかし、現在の時価総額は再びディズニーに追い越され、凋落ばかりが目立つようになりました。
「Disney+」は猛烈な勢い
ネットフリックスの売上高が伸び悩んでいる理由は単純で、課金視聴者数が頭打ちになっているためです。苦しい状況に置かれた要因のひとつに、競合サービスの追随があります。最大のライバルになりつつあるのが、2019年11月にアメリカで配信をスタートした「Disney+(ディズニープラス)」。
ディズニープラスは後発組にもかかわらず、課金視聴者数を猛烈な勢いで獲得しました。2020年10月に1億6400万人の加入者を獲得しています。同時期のネットフリックスは2億2300万人であり、6000万人の差がついているものの、ディズニープラスは前年同期比20%増のペースで会員を獲得しています。
一方、ネットフリックスの伸び率はわずか3%……追い越されるのも時間の問題と言えます。