給与未払いで退職…4コマ漫画で人生が変わった作家の「絶望の無職時代」
ブラック企業で疲弊する日々
──そこから、どういうお仕事をすることになるのですか?
松本:専門的な知識は何もなかったのですが、デザイナーになろうと思って。地元にある会社に就職したのですが、まぁ、こういう業界ってどの会社もそうかもしれないですが、なかなかの体質で(笑)。かなり遅い時間に、プリンターの前でデザインしたものを印刷しては確認して「いや、違うな」とか言って、またそれを繰り返すとか。
──無職から突然、会社に拘束される日々ですね。なぜ、デザイナーになろうと?
松本:正確に言うと、いったんは地元の本屋さんで働きましたけど。商品のPOPを描いたりとか。そういう経験があったから「なんかデザインっていいかも」ってなったんだと思います。
──よく、そんな生活に耐えることができましたね?
松本:若かったですし、何よりその仕事が好きだったのかな。だから、体力的にキツかったという思い出はありますけど、仕事内容としてツラいとか、嫌な記憶っていうのは不思議とないですね。だから、恥ずかしい言い方ですけど、デザインをする仕事が好きだったんだと思います。
「給与の未払い」がキャリアの終焉
──その仕事は、どれくらい続けられたのですか?
松本:色々な事情がありまして、デザイナーとして転職を繰り返しながら、3社目の最後の会社で「もう辞めよう」と。
──なにがあったのですか?
松本:入社した時から社内の人間関係とか、いろいろ気になる部分はあったんですが……。決定打となったのは、給与の未払いです。
──それは、ツラいですね……。
松本:生活もありますしね。それで、1年ぐらい勤めたあとにその会社も辞めて、もとの無職生活に戻りました。友達もそれぞれの生活を歩み出してる時期だったりで、どうすりゃいいんだろうなって。
──また、仕事を探すことはなかったのですか?
松本:一応、ハローワークには行きましたけど、やっぱり見つかるのは、さっき申し上げたような自分には向かない仕事ばかりで。だからまた、自宅で悶々としながら過ごしてっていう感じでした。