アクセンチュア研修で感じた不穏な空気…「地獄の底にいる人」ほど実は得するワケ
もしあのときの経験がなかったら…
正直、もう一度あのときのような思いをしたいかというと、本当にしたくないです。いくらお金を積まれてもイヤです。ただ、その経験ができたこと自体はとてもラッキーでしたし、今この瞬間にも生きている大きな財産になっています。Zenyum Japanの社長になってから、大変なことや苦しいこともそれなりにあったのですが、社会人になった直後のことを振り返ると、「そのときに比べたらなんでもないな」と思えるのです。
そう思うと、頭の中がクリアになり、「現状を把握し、課題を特定し、粛々と実行する」という問題解決プロセスを進めることができます。もしあのときの経験がなく、「わーーーつらいーーーどうしようーーー」と思っていたら、その感情に振り回されて、まともな意思決定やアクションができなかった気がします。
もしかしたら、新社会人時代を上書きするようなツラさや苦しさを感じることもあるかもしれませんが、そのときは「さらに良い武器を手に入れた」と捉え、足を止めることをないようにしたいなと思っています。
本当にツラかった経験が大きな財産に
この記事を読んでいる方の中には「今この瞬間が最もツラい」と感じている方もいるかもしれません。若手であればなかなか仕事がスムーズにこなせず、常に冷たい目線を送られているように感じてツラい。管理職の方やチームリーダーの方なら、いくら一生懸命やっても売上目標に達さないし、チームメンバーもなかなかやる気を出してくれない……と悩んでいるかもしれません。
周りから見たら「そんなの大した悩みじゃないよ!」と言われてしまうかもしれませんし、日本に生まれて毎日生活できているだけで、世界から見たら上位数パーセントには確実に入る最高の環境にいることは否定できません。でも、みなさんが感じている「ツラさ」は主観的なもので、それを「大したことないよ」と他人が言うことにあまり意味はありません。
そのツラさ、ぜひしっかりと味わい、できれば日記等に残しておいてみてください。世の中は常に動いていくので、必ずそのツラさはゆるゆると溶け去っていきます。そして、そのツラさを覚えておくと、将来、ほかのツラい状況に直面したときに「あの時に比べれば大したことねーな」と思える最強の武器になります。
できれば楽しくいい思いをしながら人生を過ごしていきたいものですが、ツラい経験も実はめちゃくちゃ貴重です。自暴自棄にならず「このツラさのおかげで、将来はめっちゃラクになるな~」と気軽に捉えながら、毎日やっていきましょう。
<TEXT/Zenyum Japan代表取締役社長 伊藤 祐>