丸紅：食品・農作物のイメージが強いが…

丸紅©Nagahisa_Design

　食品・農作物のイメージが強い丸紅ですが、資源関連事業も同社の利益の大部分を占めています。2022/3期の主な事業セグメントは利益2284億円の「エネルギー・金属」と、1379億円の「食料・アグリ・化学品」です。その他に「生活産業」、「電力・インフラ」などがあります。2020/3期から2022/3期までの業績は次の通りです。

【丸紅株式会社（2020/3期～2022/3期）】
売上高：6兆8276億円→6兆3324億円→8兆5086億円
営業利益：1339億円→1416億円→2845億円
最終利益：▲1975億円→2253億円→4243億円

コロナ前の反動で増益に

　総合商社の他社がコロナ禍で苦しむ一方、丸紅の2021/3期最終利益は前年を上回りました。確かにコロナ要因で収益は減少しましたが、利益面ではアグリ事業で前年に計上した子会社の減損損失の反動や、エネルギー事業における前年の減損損失の反動があり、大幅な増収となりました。

　アグリ事業は1195億円、エネルギー事業は1613億円の利益改善でいずれも黒字化に成功しました。前年度の反動で増益になった形です。

　翌2022/3期はコロナ禍からの回復で増収となりました。利益面では旺盛な農業資材需要によってアグリ事業が増益となったほか、エネルギー事業も石油・ガス価格の上昇及び取引数増加で増益となりました。

　なお、丸紅も2022/3期に最終利益の過去最高値を記録しましたが、2023/3期はそれを上回る5100億円を予想しています。米国での穀物・農業資材関連事業の好調や円安が増益要因と見られます。