コロナ禍の百貨店跡再生、カギはデパートに?激動の「小売業界2022」を振り返る
「マルエイガレリア」はなぜ生まれたか?
名古屋市内では名古屋駅に「ジェイアール名古屋高島屋」が2000年3月に開店、栄に名古屋栄三越の別館であるファッションビル「ラシック」が2005年2月に開店するなど競争が激化するなか、丸栄百貨店は「ギャル向け売場」を設けるなど若者向けを強化することで差別化を図ったものの経営状態は芳しくなく、2008年にはコルゲンコーワなどの製薬業でも知られる大手商社「興和」(名古屋市)と業務資本提携を締結することとなった。
しかし2017年2月期決算には3期連続の赤字を記録するなど経営不振から抜け出せず、2017年7月に興和の完全子会社化されたのち2018年6月に閉店。近隣施設との一体的な再開発を目指すことが発表された。
そして、再開発により丸栄百貨店の閉店から3年強で生まれた新たな商業施設が「マルエイガレリア」。建物は3階建てで、店舗面積は7784平米。丸栄の親会社である興和グループが所有し、大和ハウスグループの大和ハウスリアリティマネジメントが運営する。
丸栄デパート、「飲食店」に専念
マルエイガレリアは先述の豊田そごう・松坂屋跡とは異なり、元の百貨店の建物を解体して完全に建替えたものであるが、こちらもかつての百貨店「丸栄」が小型の新業態として復活している。
マルエイガレリアの館内は百貨店時代とは打って変わって「無印良品」などの専門店をはじめ、サカエでは数少ない食品スーパー、飲食店街などが並ぶ。そのうち、1階に出店する「KW THE KITCHEN WONDERLAND(ケイダブリュ・ザ・キッチンワンダーランド)」こそが丸栄(丸栄子会社「丸栄フーズ」)が運営する小型新業態だ。