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コロナ禍の百貨店跡再生、カギはデパートに?激動の「小売業界2022」を振り返る

ビジネス

出店は閉店より前に内定していた?

小売業界

ワンフロアの百貨店「三越豊田」の館内。スイーツ店が多く並び、若者の姿も多かった(撮影:佐原勇貴、協力:三越豊田)

 さらに、三越豊田では一般的な百貨店よりも狭い売場を補完する機能も充実している

 たとえば東海地方初となる三越伊勢丹の「デジタルスタンド」では、三越豊田にないものであっても名古屋三越の本店「名古屋栄三越」はもちろんのこと、日本橋三越本店や伊勢丹新宿店など都内の店舗からも商品を取り寄せることができるほか、「ザ・サロン」ではリモート接客により百貨店ならではといえる百貨店向け化粧品(いわゆるデパコス)の「遠隔カウンセリング」を受けることも可能となった。

 名古屋三越の豊田出店は松坂屋の閉店より前にすでに内定していたとみられ、松坂屋閉店直前(2021年9月)にテナント関係者に行った取材でも「松坂屋跡には三越が出店するらしい」という話が漏れ聞こえていた。

名古屋三越の起源は「地場百貨店」

 名古屋三越は三越伊勢丹HD子会社ではあるものの名古屋の地場百貨店「オリエンタル中村」を起源としており、名古屋市内で百貨店やファッションビルを運営。名古屋エリアでは「地元に根付いた老舗百貨店」という側面も持つ。

 ワンフロアといえども「三越のブランド力」は大きく、同店の出店決定は他フロアのテナント誘致にも大きく寄与し、「百貨店跡のスピード再生の足掛かり」となったであろう。

小売業界

ワンフロア百貨店「三越豊田」では「狭い売場を補う施策」が随所にみられた(撮影:佐原勇貴、協力:三越豊田)

 三越伊勢丹は数年前まで郊外型ショッピングセンターを中心に小型店「エムアイプラザ」の積極出店を進めていた。このエムアイプラザは新たな顧客の創出に繋がった例もあったものの、当初の計画どおりの展開(2015年時点では2018年度内に180店舗体制にまで増やすとしていた)は叶わず、わずか数年で閉店した店舗もある。

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