カンニング竹山の“炎上計画”から始まった「答え」を出さない、という寄り添い方
「答え」を出さない、という寄り添い方
――『今君電話』にかかってくる電話を受けるなかで、どんなことを感じましたか。
竹山:まず電話を受けるにあたり、半年ぐらいかけて講習を受けました。大学で臨床心理学を専門にする岩田淳子先生から、90分×10回。うつ病とは、精神疾患とは、といったものから、話を聞く姿勢、話し方まで細かく指導してもらいました。
電話を受けてみて……あくまでも個人的な感想ですけど、圧倒的にうつの人が多いです。いたずら電話もかかってくるかなと思ったら、皆無。コロナ禍ということもあって、ストレスが溜まっている人、悩んでいる人は多いなというのと、人間関係の疲れですね。あとは、みんな喋りたいんだなって。
――今は、匿名での発信ツールも溢れる世の中です。なのに、電話で話したい。
竹山:やっぱり誰かに喋るって強いんだと思います。知り合いや友達にはなかなか言えないようなことでも、直接の知り合いじゃない僕になら、喋りやすいことがある。
でもね、あの番組は「相談窓口」ではないから、「こうしたほうがいいよ」とは、絶対に言わないんです。僕は答えを出さない。1回何かアドバイスめいたことを言ってしまった時は、その後岩田先生に結構注意されました。それはあなたの価値観だからって。
相方が亡くなったばかりの頃に「心に空いた穴」
――ただ話を聞くだけで、ジャッジはしない。
竹山:そう。タレントが何か相談に対して、名言! こうすべし!みたいな回答を言うものって、結構あるでしょう? テレビなんかの“作り方”ではあるんだけどね。でもここでは、それはしない。そうしてしまうと、余計にプレッシャーを与える可能性があるからです。
――竹山さんが、辛い時に誰かに話を聞いてほしいと思った経験はありますか。
竹山:中島が亡くなったばかりの頃は、今『放送禁止』をサブで作ってくれている中田っていうやつが、運転手として24時間僕のそばについてたから、そこでいろいろ愚痴ったりしてたのなあ。そうやって誰かに話を聞いてもらうことで、心に開いた穴を埋めていたのかもしれないですね。