高橋克実、20代を毎日一緒に過ごした監督との初主演作「すべて言われた通りに」
収録のあとは常に居残りでダメ出しが
――確かにそうでしたね。
高橋:バラエティというと軽い感覚がありますが、「トリビア」は演出がものすごく厳しくて、僕と八嶋くんでいつも残されて、ダメ出しされてました。そうこうするうちにどんどん人気が出て、ゴールデンに進出することになって、タモリさんが出演されることに。
「じゃあ、もう俺たちはやらないんだな」と思っていたら、「いやいや、もちろんやるんですよ、MCで」と。でも、ゴールデンが始まっても、収録が終わると僕と八嶋くんはふたり残されてダメ出しされるというのは変わらなかったですね(笑)。
20代ディレクターのプロ意識に脱帽
――年下のディレクターさんに。
高橋:そうなんです。「トリビア」はまだまだ視聴率もよかったときに終了しました。それは、「このペースでやっていたら自分たちのやりたいクオリティを保てないから」とディレクターさんたちが判断したからだったんです。それって、すごくないですか。
とにかく番組内で検証するネタはくだらないことでも、真面目に全力投球して、少しでもそのレベルに満足できなかったらスッパリと辞めるという姿勢に、プロ意識の凄さを感じましたね。
――『向田理髪店』は、20代の頃の盟友とのお仕事になりましたが、80代になってまた森岡監督と組めたらと思いますか?
高橋:80歳か、どうですかね。今回久しぶりで、照れくさかったですね。かつて劇団時代に俳優同士としてたくさん共演しましたが、演出を受けるのは初めてでした。そういえば、今回、森岡さんが帽子かぶっている姿を見て安心しましたね(笑)。
二人して若い頃から頭髪マッサージをしたりしていたんですが、今のお互いを見たら、「あの頃、俺たちがしてたマッサージは何も効果がなかったんじゃないか」と(笑)。
<取材・文・撮影/望月ふみ スタイリスト/中川原寛(CaNN) ヘアメイク/国府田雅子(b.sun)>