舌を割くのは「人生で1番痛かった」身体改造した漫画家が語る、ハマるきっかけ
タンをスプリットして得たもの
――興味があっても実際の施術に至るまでには一線がありますよね。本作で読んだ限り、デビューに向けて読み切り投稿を続けるなか、バイト先で心身を病んだことが、スプリットタンに踏み切る大きなきっかけになったようですが。
岬:自分の場合、一般社会と決別する気持ちは大きかったです。普通に考えて“スプタン”した人間は、ビジネススーツを着るような仕事には就けないわけですけど、そういう仕事は別にやりたくなかったので。漫画の専門学校を卒業後、いろんなバイトもしましたが、どの職場にも適合できなかったし……。初の連載が決まりそうなタイミングで自分を漫画の道に縛りつけたところがありますね。
――スプリットタン以前・以後では、具体的にどんな変化があったんでしょうか。
岬:すごく自由に生きている感覚はあります。感覚的にはファッションに近いかもしれないです。「社会不適合者でーす」って開き直れるというか。コンプレックスなども含め、自分の生き方を認めて満足できるようになったと思います。飲み屋とかでも面白がられるし、漫画家としても“スプタン”が名刺代わりになっていて。そのためにやったわけじゃないですけど、良い自己紹介になっていますね。
――間違いなく記憶には残りますね(笑)。
今までの人生で1番痛かった経験
――スプリットタンの施術の描写がめちゃめちゃ痛そうで、読んでいて正直ツラかったです(笑)。
岬:デンタルフロスで舌を縛る方法(タイオフ)があるんですが、今までの人生で1番痛かったです。あの痛みを経験してからは、痛さのレベルが“スプタン基準”になりましたね。タトゥーも痛いは痛いんですが、全然マシでした。