生魚の異臭が…東京屈指の“高級住宅街”で地上げトラブル「バブル期並みの悪質さ」
登記簿謄本を取得してみると…
登記簿謄本を取得すると、この物件は今年7月末にある不動産関連企業へと所有権が移っていた。元の所有者を知る人物はこう話す。
「この建物はもともと旦那様が持っていらして、亡くなった後に奥様が相続されたと聞いています。ただ不動産のことはよくわからないから、大手不動産会社関係の知り合いに仲介してもらって売却したそうです。それがこんなことになるなんて」(60代・女性)
新所有者について調べると、過去にも横浜の敷地をゴミだらけにした前例があることがわかった。当該物件の住民は大半が退去したようだが、夕方になるとわずかに電気がついた部屋があった。自宅に突然、落書きや魚が吊るされてはたまったものではないだろう。
このような事態を法律は許しているのだろうか?
このような事態を法律は許しているのだろうか? 不動産事情に精通し、全ツイの愛称で知られる「全国宅地建物取引ツイッタラー協会」に聞くと、意外な回答が返ってきた。
「自家製の干物を作ろうとしたら、つい腐らせてしまった。家の前に粗大ゴミを放置してしまった。こんなことが起きても逮捕はされませんよね? ゴミ屋敷然り、所有権があれば何をしようがある程度自由で、警察に訴えたところで民事不介入とされます。とはいえ、今回は地上げの手口のなかでもかなり悪質です。昭和の映画『マルサの女』に出てくるヤクザの嫌がらせ行為とほぼ変わりません」
そもそも、地上げトラブルはどのような交渉の過程を踏むのが一般的なのか。
「本来なら立ち退き料として住宅なら賃料の6~18か月分、事務所や店舗なら60~240か月分ほどの補塡を行い、退去期限は立ち退きに合意してから3か月~1年が一般的です。所有権が移ってまだ2か月余りでこの事態とは、悪質さを際立たせます」