「駅から徒歩2時間半」一軒家を“立ち飲み屋”に改装した34歳の自給自足ライフ
オーガニック野菜が売りの立ち飲み屋
――最寄駅から2時間半とのことですが、お客さんは来るのでしょうか?
永野:オープンしたのが去年の12月25日で、すぐにオミクロンが蔓延して大変でしたが、お客さんも1日10人くらい来てくれる日もあります。立ち飲み屋でふらっとしゃべりにきて、気づいたら2~3時間滞在してくれる方もたくさんいますね。料理も畑のオーガニック野菜を使っていて、原価は安いのでやっていけそうです。余った野菜はオーガニックの飲食店に卸したりしてロスをなるべく無くすようにしています。
――これから田舎に住みたいと思ってる人にアドバイスはありますか?
永野:田舎暮らしで大事なのは1回、いままでの人生を置いてきて新しくスタートさせるということですね。前はこの仕事をして、これくらい稼いでましたとかと言っていても、田舎にくれば、「何ができるの?」という視点で見られます。
草刈りをやったことないというと笑われますし、自分の家の周りの草刈りをサボってると、知らない間に嫌われてたりしますね。草に害虫が湧いて、他所の田んぼにも害虫が増えて迷惑がかかるのです。
おすすめは1年間くらい仕事をせずに、田舎の人間模様を観察することです。また、貨幣経済とは別の物々交換がまだあるのも面白いです。余った野菜などがあったら、お裾分けして、相手も何か余ったものをお裾分けしてくれる。もらいっ放しは良くないです。そういうコミュニケーションが得意な方が田舎暮らしに向いてるのではないでしょうか。
<取材・文/山崎尚哉>