中国事業は苦戦…「日本一の銭湯チェーン」の赤字でも撤退できないジレンマ
調達した14億円のやり過ごすことができるか
極楽湯は目先の債務超過解消策として、新株予約権発行による資金調達を計画しています。2022年4月から2025年4月末までで概算14億円を調達する見込みです。
これにより、有利子負債を2022年6月から9月にかけて12億5500万円を返済します。取引先の金融機関からは運転資金確保を最優先させることで賛同を得ており、適宜有利子負債を圧縮するとしています。
ここでポイントになるのは、3年間14億円の調達で十分な運転資金確保と、財務体質の改善を図れるのかどうか。特に警戒すべきなのは減損損失。14億円を調達したとしても、2022年3月期と同規模の減損損失を計上すると、再び債務超過に陥ってしまいます。
救世主は現れるか?
極楽湯の2022年3月末時点で、固定資産に計上されている「建物及び構築物(純額)」は61億4900万円。2019年3月末の123億4500万円から半分以下まで減少しています。しかし、コロナの長期化に伴って減価する可能性がない数字ではありません。
極楽湯の筆頭株主はアサヒビールで2.4%の株式を保有しています。10%を超える主要株主はなく、支配力の強い株主は存在しません。ここ数年のサウナブームなど注目を集めている銭湯界だけに、もしかしたら今後、極楽湯の救世主となる企業が現れるかもしれません。
<TEXT/中小企業コンサルタント フジモトヨシミチ 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>