生命保険は20代で入らないと損なの?保険に関する素朴な疑問をプロに聞く
CMで見る保険会社に決めてもいい?
数年前からネットで手続きが完結するために保険料の安い生命保険なども登場している。けれども、「他の保険よりもネット保険のほうが安い」と信じ込みすぎるのも危険だ。保障内容やプランによっては店頭で販売されている保険のほうが安くなることもあるからだ。
安さ重視で生命保険を検討しているなら、保険ショップで比較してみるのもおすすめだそうだ。
「まずは医療保険においては、短期入院や入院後の通院に備えられる特約(オプションの契約)を厚くするのが今のトレンドです。今の医療事情としては、病院の空き状況などもあり、長期入院を推奨しない流れが起きています。病気によっては入院日数が短縮され、通院治療がメインになることも。
そのため、短期入院に備えられる入院一時金特約や、退院後に通院をしたら給付金を受け取れる通院特約をつけるのがおすすめ。
給付金が受け取れる就業不能保険の重要性
また、がん保険においては自由診療の保障や特約をつけることが多くなっているそう。医療技術の進歩により新しい抗がん剤や治療法が出てきている一方で、公的保険適用の範囲でなければ、医療費が全額自己負担になり、数百万~数千万円という高額になることも。自由診療の抗がん剤や自由診療の治療に手厚いがん保険によって幅広くカバーすることがおすすめだという。
「最後に独身既婚問わず20代、30代のバリバリ働いている人たちにこそ考えてほしいのが就業不能保険。これは病気やケガで仕事ができなくなったときの生活費補填のための給付を受けられる保険です。ご家族が亡くなれば収入は減りますが、その分支出も減ります。
ですが、仕事ができない状態は収入が減るのに、食費や治療費などでこれまでと支出は変わらない、もしくは増えていきます。就業不能状態は死亡するよりも経済的リスクは大きいんです。このリスクは特に世代に関係なく考えてほしいですね。新型コロナウイルス感染症の流行を機にその価値が改めて見直されています」
就業不能保険に関しては、実家の有無や貯蓄なども検討材料だ。実家に帰って家賃は払わなくとも生活できるのかどうか、働けない間の生活費としてどのくらい備えているのかなどの条件に応じて加入を検討してみるといいそうだ。
<取材・文/角やえこ 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>