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「受験生版令和の虎」京大卒“最年少の虎”が語る、3億円借金家庭での勉強術

ビジネス

周囲から驚かれることが多い家庭環境

ポラリス

――改めて聞きますが、どれくらい貧しい家庭環境だったのでしょうか?

吉村:中3年生の時に自分の生まれた3階建ての家が競売にかけられて差し押さえされてなくなる事件が起きました。借金は両親が連帯保証人として3億円くらい背負っていました。今考えると、額すごいですね。父親しか働いていないですし、手取りも少なく、ジリ貧でした。そしたらある日、突然A4くらいの封書が届いて父から「家住まれなくなった」と言われました。当時は泣きましたね。

 これがわかりやすい例なだけで昔からお金はありませんでした。父親は正社員のサラリーマンではなく、スポーツのスパイク製造の下請けの個人事業主で、たまに上の会社からお金が支払われないことがあり、消費者金融でいつもの給料額借りてきて、母親に今月分って渡していました。

 たまに返済の封書が届いて母が「これ何?」となり、そこで揉めるという感じでした。習い事もできず、大学の学費もありませんでした。高校の授業料は当時の橋下徹知事が授業料免除の政策をやっていたので助かっていました。

――なぜ勉強を頑張ろうと思われたのですか?

吉村:前述の通り、家庭が貧しく大変な想いをすることが多かったため、この一族の負の連鎖を自分のところで断ち切らないと、という気持ちが強かったです。中学生当時、野球も学校の部活よりも外部のチームに入ったほうが頭ひとつ抜けるくらいに上手くなる可能性はありますが、お金がかかります。

 そのため、勉強を頑張るしかないと考え、必死に勉強に励んだ結果、中学時代、ついに最後はテストで学年1位になることができました。塾に行けずとも幸い、小学生の時から朝、1時間勉強するという習慣があったことが強みになったと思います。

――過酷な環境を憂いて人生を諦めたくなることはなかったと?

吉村:非行に走る暇はなかったです。両親から切実にしみじみと「良い大学を出て大企業のサラリーマンか、公務員になれ」と言われていたからです。我が家はこんなんだからと。

<取材・文・撮影/梶山悠莉彩>

【吉村 暢浩】
株式会社ポラリス 代表取締役。オンライン学習塾「ポラリスアカデミア」学長。2018年、京都大学工学部を卒業、同大学大学院に進学。2019年に京都大学大学院を退学し、受験コンサルティング事業「ポラリスアカデミア」を立ち上げる。2021年、株式会社ポラリスを設立

ミス國學院2021ファイナリスト。大学時代より多数企業のZ世代マーケティングを担当、地方局でキャスターを務める。現在はコメンテーターとしてもテレビ番組に出演。Instagram:@yuria.kajiyama

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