人気の「相乗りアプリ」で格安ドライブ。東京ー大阪なら約4000円!
こうした相互評価システムに加え、ナンパや過度な儲け主義と思しきドライブは運営会社が監視し、必要な場合はユーザーへの確認やアカウント削除などの措置が取られています。
意外と女性も多い? ユーザー像は
nottecoサイトのログから見た年代層は20代と30代が最多で、40代がこれに続きます。2016年公開資料によるとドライバーは30代、同乗者は20~30代が中心とのことですが、この1年は30代以上が増加しています。
運転好き(そしてある程度自信がある)の30~50代男性が、20~30代を割安で相乗りさせてくれているイメージです。
同じくログから見た男女比だと、だいたい女性1人に対し男性2人の割合。安心対策が奏功してか、「女性限定ドライブ」の件数は少ないのに、ドライブ履歴を見ると20~30代女性も結構利用していることがわかります。
節約目的じゃない? 実は高年収なユーザー層
レビューの数々を眺めると、前述の「0円」会員の方は、「思いも寄らない方との良き出会い、そして感動」の場としてnottecoを評価しています。そう、どうやらnottecoの利用目的は「安い」前提でありながら「安さ」だけではないのです。
レビュー欄には「ものすごく話が盛り上がって、楽しかった」「また楽しいお話、聞かせてください」「次回もよろしく」といったコメントが。「日付は決めていないので、乗車される方に合わせます」という観光目的のドライブ募集もあり、相乗りそのものを楽しんでいるユーザーの存在が感じられます。
アクセスログで世帯年収を確認してみると、確かに節約しなくても良さそうな高年収のユーザーが多いことがわかります。特に最近の1年では、1000万円以上のユーザー比率が4ポイント増加。500万~700万円未満の中間層が7ポイントも増えていて、ユーザーの6割以上は世帯年収500万円以上の比較的余裕がある層なんです。
安く移動したいという同乗者のモチベーション、どうせ車を出すなら安くあげたいというドライバーのモチベーションはそもそもの出発点、大前提としても、ドライブを楽しくしたい、人に役立ちたい、あの人とまたドライブしたい……と、サービスとともにユーザーニーズも進化しているのかもしれません。特に単身赴任者の帰省など定期的なドライブでは、同じメンバーの相乗りが見られます。
ユーザーはブログ&ニコニコがお好き
普段使っているサイトからnottecoユーザーの利用率が特に高いサイトを見ると、「ブログ好き」「ニコニコ好き」の傾向が明らかに。
livedoorブログやアメーバブログは、それぞれネットユーザー一般だと23%、34%が利用していますが、nottecoユーザーの場合は7割以上。YouTubeはほぼ全員が利用していて、ユーザー参加、ユーザー発信のコンテンツに関心が高い傾向です。人と人とのつながりを大切にしていそうですね。
nottecoは通常の相乗りマッチングに加え、阿蘇ロックフェスやプロバスケチーム茨城ロボッツ観戦といったイベントへの参加ドライブ後援による規制緩和、災害支援ボランティアや就活ドライブへの費用補助といったキャンペーンも展開しています。
交通費の節約はもちろん、シェアエコノミーを体現するユーザーとのドライブ、ちょっと楽しそうじゃありませんか?
<TEXT/清水響子>
【調査・分析データについて】
ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズが提供する、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用しました。データはヴァリューズ保有のPC及びAndroidスマートフォンモニター(20代以上)での出現率を基に、国内ネット人口に換算して推測しています。
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