職場で無視、仕事を教えない…「会話拒否ハラスメント」の実態
知っているのに教えない、相談の場を与えない…
筆者が代表理事を務める日本ハラスメント協会に実際に寄せられた相談内容から、無視の意味を含んだ「人間関係の切り離し」に該当する発言例を紹介します。
「なぜ、それを私に聞くの? それは●●さんに聞いて下さい」と知っているのにわざと教えない。「そんなことは自分で考えろ。それを考えるのが君の仕事だろ」と相談できる環境を与えない。「普通、調べてから聞かない? ちゃんと調べたの?」と追い詰めて、聞くこと、確認すること自体のハードルを高く設定するケースもあります。
このように何かしらの理由をつけて相手を突き放して孤立させます。発言の内容は正しくても、言い方にパワハラ的な要素が入ってくると、結果的に正しい発言とは言えなくなってしまいます。
「今は話せない」理由が相手に伝われば問題なし
業務が忙しくて、社内の人とのコミュニケーションに専念できない人も多いことと考えられます。部下からの質問に対して、会話したくても今は忙しくて会話できない上司の状況を思い浮かべてください。
先ほど紹介した事例のように「そんなことは自分で考えろ。それを考えるのが君の仕事だろ」と忙しくて余裕のない気持ちから、ついそのような発言をしてしまうと、部下をもうあなたに質問するのが怖くなります。
「今は手が話せない業務があるから、落ち着いたら確認しますね」と今は話せない理由を相手に伝えるだけで、無視したい気持ちの発言ではないと相手にも周囲にも伝わります。日頃の態度と合わせて、誤解されない対応が大切です。