30歳で“ミリオン作家”になった男が語る、その後「YouTubeに完全シフトした」
ミリオンセラー「さおだけ屋」タイトルの裏話
水野:さおだけ屋が出たとき、出版前の反応と後はどうですか?
山田:さおだけ屋に関してはタイトルで揉めたという記憶しかなくて。今でこそ普通ですけど、タイトルが疑問系、かつ総論ではなく各論部分をタイトルにしているのは、当時は絶対にあり得ないタイトルだった。さらに会計の本なのかわかりづらいという点も相まって、ものすごい反対があったのですが、それを押し通してくれたのが担当編集の柿内芳文さんでした。
水野:社内でも猛反対だったそうですが、どのようにして通したんですか?
山田:柿内さんが頑張ったんですね。僕は諦めかけてたんですけど、柿内さんが絶対にさおだけ屋のほうがいいと。
ミリオンが出てからその後
水野:それだけ手応えを感じていたっていうことですよね。これでやれば売れるっていう感触が山田さんもあったんですか?
山田:そうですね。当時から中身がまぁまぁ面白くできていて。面白くできたのも柿内さんのおかげなんですけど、タイトルが『さおだけ屋~』だったら10万部はいくなと僕も柿内さんも思ってました。だから、無理やり通したという感じですね。その後は実際に1~2か月で10万部を達成しました。
水野:7か月でミリオンセラーを達成されたそうですが、そのとき、どういう気持ちだったのでしょうか?
山田:売れると同時に、取材やテレビ出演の依頼がいっぱいきました。今でいうところの「M-1」で優勝しました、みたいな。“ベストセラーバブル”があるんですよね。
当然、出版のオファーは100件以上きましたし、作家さんがインタビューに出るような雑誌はたぶん全部出たと思うんですよ。新聞もほぼ全紙取材を受けてると思いますね。テレビも、『世界一受けたい授業』や『王様のブランチ』など、影響力のある人気番組にひと通り出て。